県民の森の行く末とカラマツ林

長野県民の森が松本三城地区の県有林に造られたのは50年前のことである。松本市に管理委託されていたキャンプ場も解消してしまい、入口からの道路も門を閉した状態を昨年、垣間見てきた。戦前より美ヶ原の台地への登山が行われ、その登山口が三城牧場にあり…

森林の下刈

森林の下刈には、従来から使われた鎌がよい。ステンレス製の小さな鎌が特にツルの刈り払いに便利である。動力による刈り払い機は森林用の歯をつける必要がある。自分は鎌を使うが、大きな鎌は刃を研ぐ必要がある。高価な鎌も森林内の作業ではちょっと地面に…

森林の定義と風景

森林は土地を被覆する植物・樹林を中心とした生物の集合体であり、人間の視覚にとって地表の風景要素である。この森林要素を地表の浸食、崩壊や人間の様々な土地利用によって、森林が失なわれ、原生林の後退と回復による二次林によって、または植林による人…

芝生の草抜き

芝生の管理は草刈り機や芝刈り機による刈り込み作業が公園やゴルフ場の広い芝生地では中心作業と言える。しかし、庭園の芝生では雑草の混入で草抜きと芝刈りによって一面に芝生だけの広がりをつくる場合が多いのではないか?以前勤め先の演習林で職員の人と…

芝生の草抜き

芝生の管理は草刈り機や芝刈り機による刈り込み作業が公園やゴルフ場の広い芝生地では中心作業と言える。しかし、庭園の芝生では雑草の混入で草抜きと芝刈りによって一面に芝生だけの広がりをつくる場合が多いのではないか?以前勤め先の演習林で職員の人と…

森づくりの成果

30歳の頃より、森づくりの機会に恵まれた。人生最上の恵みと言える。当時、明治百年記念事業が自然公園や国有林、都道府県、市町村で取り上げらた。

やっと、このブログに戻れました。NPO森林風致計画研究所の発足以來、始めたブログが中断して公開の発言の機会が失なわれていましたが、80歳となり、人生終盤のけじめをどのようにつけるかが、問われる事態となっています。居宅も整理し、書き散らした資料も…

今田先生「森林美学」講義第11回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 2月2日 Gruenfflaeche 緑地(続き4) 児童公園 Kinderspielplatz 子供のための公園 年齢に応じ,遊戯と運動を考える。年齢の区分は5歳以下の幼児,11,12歳以下の幼年,14,15歳以下の少年に分ける。幼児のた…

今田先生「森林美学」講義第10回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 1月20日 Gruenfflaeche 緑地(続き3) 前庭 建物と 道路の間の緑地,これによって美化される。また,騒音を避け,風通し,採光もよくなるなど,美観,衛生,保安にも役立つ。このため,前庭線,後退建築線を都…

今田先生「森林美学」講義第9回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 12月16日 Gruenflaeche 緑地 (続き2) 並木に必要な性質 1 剛健な樹種 都市の土壌は大抵痩せていて生育に適切ではない。客土もするが,剛健なことが必要である。都市の空気は有毒成分を含み,煤煙,砂塵も…

今田先生「森林美学」講義第8 回

今田先生講義録11964 北海道大学農学部林学科 12月9日 Gruenflaeche 緑地 都市計画に当たって,空地,自由空地Fleieflaecheをどのように設けるかは大きな問題である。自由空地の大部分は芝生または樹木で緑装するのが常である。したがって空地は大体にお…

今田先生「森林美学」講義第7回  

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 12月2日 森林美の育成 Waldschoenheltspflege 森林の風致を考えて取り扱う事を森林美の育成という。また,V. SaerischはこれをForstkunst林芸と呼んでいる。この方法は千差万別であるが,次の4つの方法の統一…

今田先生「森林美学」講義第6回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 11月25日 樹木の集団・配植 樹木は以上のように単木として美しさを」もっているが,また集団の集まった全体としての美しさを持っている。自然風景を観照する時は集団から美しさを取り出す必要あり,造園では…

今田先生「森林美学」講義第5回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 11月11日 Der Aesthetische Wert der Horzarten樹木の美的価値(続き) 芽と葉 例えば新緑期には芽から葉が展開していく有様が美観をそそる。これは樹種によって特有の動きをする,その動きが美しい。 マツ,…

今田森林美学講義録解題

今田森林美学は講義に終始しており,著書として公刊されたものはない。これまで,森林美学に関して,歴史と批判の著者として著名ではあるが,ザーリッシュ森林美学の全体像をどのように考えていたかは明らかではなかった。小生も卒業論文の指導を受けていな…

今田先生「森林美学」講義録第4回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 11月4日 Der Aesthetische Wert der Horzarten樹木の美的価値 森林の風致的効果は樹種が異なり,また,それぞれの樹木も単木を成す場合と森林を成す場合,また,集団の大きさによっても,それぞれ特殊なものを…

今田先生「森林美学」講義第3回

今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 10月28日 Naturgefuehl 自然感情 我々が自然から受ける感情をNaturgefuehl 自然感情という。これは時代によって変化してきている。古代の人類は自然から美観を受けるよりも,宗教的な感情を持って自然を崇拝…

今田先生『森林美学』講義第2回

今田先生『森林美学』講義録1964 北海道大学農学部林学科 10月21日(水曜) Naturshoene 自然美 われわれは毎日多くの美しいものに触れている。ところでShoeneheit美 の」領域は様々な角度から分類することができるが,その中に芸術美に対する自然美とい…

今田先生『森林美学』講義第1 回

今田敬一先生「森林美学」講義録1963-1964 北海道大学農学部林学科 私が21歳であった時,今田敬一先生の「森林美学」講義を書き留めたものである。 今田先生講義録1964 北海道大学農学部林学科 10月14日(水曜) Forestaesthetik und Landshaftliche B…

ランドスケープと造園  

造園の始まりは庭園にあるとされる。 庭園はニワとソノが合成されており,そのどちらも古代になって生じた空間である。すなわち土地の占有が生じて,周囲を囲んだ私的空間であり,ソノは園芸の場とされ,ニワは仕事や儀式の場となる空間である。 古代社会は…

花壇の植栽

花壇に植栽される植物は園芸種が多く,花々は変化に満ち,高低,花の大小,形,色彩が多様になる。それらを区切り,囲いを作って区画を定めて,全体を構成する。囲いの周囲には園路を巡らし,花々の鑑賞に役立てる。区画の形態は整形式か自由な曲線を生かす…

土壌の乾湿

なぜかスコップを持って散歩する。ところどころで地面を掘るためである。掘った後は埋めておく。地面は土に小石,礫などが混ざっている場合,草本植物,一年生か多年生か,コケがあったり,裸地だったりする。 雨の後の地面は掘りやすく,また,泥濘んでいる…

源流域の石礫の風景 ー森林美学よりー

河川流域は多くの支流河川を本流に集合した本流によって構成されている。各支流もまた小さな支流の集合であり,それぞれの支流の出発点に源流域がある。人里に近い支流河川には源流域を日常,間近に見ることができるが,3面貼りの人工河川の奥の奥に隠され…

自然風景と災害

洪水は平野が水に浸かる状態となるが平野の自然風景の一端とも言える。その平野に人々が住み。水田などに利用しているとなると,自然災害となる。 河川に堤防を作り,河原や流路を堤防内に閉じ込めてしまえば,水に浸かる部分に人の住める部分を広げることが…

森林風景の再生 荒廃森林の手入れと利用

地目が原野とある土地は草刈り場として利用されていたのであろうか?特に植林されものではないのであろうが,ニセアカシアが育ち,大木となって倒木も生じて,荒廃した自然林の様相を示していた。クヌギ,ケヤキ,サクラなども生育し,下層にカエデ類なども…

農園風景 農耕放棄地の開墾

農耕放棄地の開墾は,森林放棄地の整理につながっている。農耕放棄地の植生遷移はやがては,森林化に到達するからである。農耕放棄地はすぐさま雑草畑となり,薮となり,蔓植物が繁茂し,10年近くなると,松本近郊でhニワウルシ,ニセアカシア,クワなどの…

秋分 朝夕の景色

朝の目覚めが遅くなって秋分で,夏への区切りが明瞭となる。我が友,岳も眠りが深い。といっても天気が悪く,日の出で起こされた訳では無かった。天気が良ければ,周囲の山の稜線からの日の出が南に向かって羅針盤の如く移動し,その起点から冬への移動がこ…

夜の散歩

朝と夜,毎日散歩する。犬の伴でもあるので毎日を欠かすことはない。毎日のことなので歩くコースはいくつかのコースに限定されている。人家を避けて周囲の果樹園の道を通る。斜面の果樹園に等高線に沿って3つのルートがある。上段,中腹,谷で中腹と上段は…

森林美学ドイツの起伏

森林美学第3版まで第一次世界大戦前に発刊されている。大戦後、メーラーの恒続林思想が出版され、ナチスの民族主義思想に利用された。恒続林思想の中に森林美学が織り込まれていたために、恒続林思想とともにナチスの思想として利用されることになったこと…

森林美学基礎理念の応用

森林美学の第2編は森林美学の基礎理念の応用となっています。さらに第2編はA:森林造成と森林経済、B:森林の装飾とされています。Aで林業経営と森林施業における森林美の発揮、Bで森林デザインによる森林美の向上が取り上げられています。応用のAが森林施…