森林美学の発刊

 ザーリッシュの森林美学が発刊された。
とうとうなのか? やっとなのか? ついになのか?
私も5人の監修者の一人であった点からは、他の4人の監修者の方々と海青社の社長と編集者のご努力に感謝したい。森林美学の創始者のザーリッシュの名文への敬意とともに、それを現代に蘇らせた英訳者のW.L.クック先生とドリス・ヴェーラウ氏の御蔭である。また、英訳からの美学の和訳には序文に書いたドイツ文学、哲学の深い素養が必要とされ、喜屋武、大澤、岡崎諸氏のお力によってドイツ語原文からの訳を入れることができた。
多くの訳者による素読の訳は、全体の文脈が理解されるこによって、直訳で意味が通じるようになった。最後の校正はさらに用語と文脈が的確なものになったと感じられる。

 森林美学翻訳の意義
1世紀前に出版された森林美学の翻訳にどのような意義があるのだろうか?
現在の問題に通用するとクック先生は説いている。現代のランドスケープにも森林が土地利用の一部として配置される必要があることをザーリッシュが指摘している点は現代にも共通した問題である。天然林、天然更新の価値を認める点も現代の喫緊な点である。