今田先生「森林美学」講義第11回
2月2日
Gruenfflaeche 緑地(続き4)
児童公園 Kinderspielplatz
子供のための公園 年齢に応じ,遊戯と運動を考える。年齢の区分は5歳以下の幼児,11,12歳以下の幼年,14,15歳以下の少年に分ける。幼児のためには遊び場と同伴者の休息場が必要である。幼年・少年は学校の敷地の隣にも分けることを考えている。
近隣運動公園 Bezirkssportplatz
青少年及び大人の運動施設のある公園 公園的風致を伴う。誘致半径は近隣公園に準じる。1600m以内,または30分以内で行ける所
総合運動公園 Sportpark
正規の運動競技のできる施設を持つ公園,この理想的なものは50ha必要である。
その他,ゴルフ場,動物園,植物園,墓苑,自然公園なども都市緑地に入りうる。
都市緑地の基準
これは状況に応じ,一様ではない。日本ではこの点で緑地が少ない。ドイツの例では人口一人当たり,20〜30平方米が必要とされている。アメリカでは人口50万人以下の都市の場合,一人当たり40平方米,50万人以上の都市は20.2平方m,100万人以上の都市は13.4平方米,但し,大都市では郊外の自然公園で補うようにしている。イギリスの例では20.2 32.4,28.3平方米など,様々な基準がある。また,アメリカの40.5平方米をそのまま採用している所もある。
緑地系統 Gruensystem
都市の緑地はある全体に統一されて,十分な機能を発揮できる。それが緑地系統である。
次のようなものがある。
- 散財式 Streusystem
点々と散在するもの,多くの場合これだが,相互の連絡がなく,緑地系統としては不完全である。
- 環状式 Ring oder Gurtersystem
これはヨーロッパに多い形式である。都市を取り巻く城壁などを取り壊し,その後を遊歩道にしたことから始まっている。近代になってからはこれは計画的になされた。
- 放射式 Stren oder Keilsystem
これは都心から外に向かって,放射状に緑地が配列されている。但し,街路が放射状の都市で行われ易い。ドイツのHannover,アメリカのIndianapolisなど。
- 放射,環状式 Stern oder Keilsystem
これは緑地系統として最も理想的なもの,2と3を合わせたもの。ドイツのKoeln,アメリカの都市に見られる。
- 衛星式 Trabantensystem
これも大都市に見られる形式で,規模の大きな放射環状式の中に,衛星都市が入っている。これは大都市の理想的なものである。これはドイツのFrankfurtdearu.
自然公園 Naturpark natural park
これはレクリエーションに供し得る自然の風景地である。但し,自然あっての自然公園だから,自然を保護することとレクリエーションに利用することが二本の柱となる。そして,この二つの比重の仕方は国によって異なる。大体,ヨーロッパでは自然を保護することを第一とする。スイスやスウェーデンでは自然を保護することが主になる。アメリカではこの二つが同じ比重で扱われ,二本ではレクリエーション的利用が自然を保護することより,比重がかけられている。自然公園の始まりは遠い昔に遡れるが,顕著なものは,1864年にアメリカでヨセミテ渓谷とセコイアの森とMariposa grove をカリフォルニア州立公園としたことがあり,1867年,イエローストーンの国立公園に指定されたことである。
現在,自然公園の内,国立公園は世界各国に見られる。1962年,アメリカ,シアトル市で第一回世界国立公園会議が開かれ,その時,26カ国が国立公園を所有している。英国,スウェーデン,ドイツ,ソ連,オーストリア,スイス,イタリア,ベルギー,アイスランド,ルーマニア,アメリカ,カナダ,アルゼンチン,メキシコ,チリー,コンゴー,タンガニカ,ケニア,南アフリカ連邦,イスラエル,オーストラリア,ニュージーランド,フィリピン,インドネシア,セイロンで見られる。それぞれの国で特徴があって,皆,同じように管理経営されてはない。
其の内,アメリカ合衆国を例とすると,1960年の現在すると,・・・134553877エーカー,其の内20箇所は100,000エーカー(4万 ha)その他,国家記念物National monumentsとして,国立公園に準ずる区域が83箇所,9129,537エーカーある。また,国有林の中に保護地がある。それぞれが自然を保護する事とレクリエーションのために供されている。その中でレクリエーション利用が強く制限,禁止しているところである。それを自然域National areaと称している。
日本の国立公園
昭和9年3月瀬戸内海,雲仙,霧島国立公園が指定され,同年,阿寒,大雪,中部山岳,阿蘇の国立公園に始まり,現在,23箇所である。昭和24年,日本の国立公園で自然破壊していると言う勧告を受け,制度上の改善がなされた。現在は昭和33年の自然公園法に基づいて,管理経営されている。この自然公園法は国立公園,国定公園,都道府県立公園の三つを規定している。国立公園は日本を代表する風景地うぃ選定し,国定公園はこれに準じるもの,都道府県立ではその地域で優れたものを選んでいる。国立公園は国が指定し,管理する。国定公園は国が指定し,都道府県が管理する。都道府県立公園では都道府県が指定し,管理する。ところで,この自然公園において,自然を守る方法は最も厳格に自然を保護するために,特別保護地区を設け,また,ある程度の制限を加えて自然を保護しようとするものを保護地域とし,第一,第二,第三種に分けている。そして,原則的に制限しないのを普通地域と言っている。知床は自然を守るためにtp国注意されており,51.5%を特別保護地区,残り48.5%を第一種〜三種とし,保護され普通地域はない。(国立/国定公園面積一覧表)