アルプス公園の潅木類

はじめに
 公園拡張のために山林を造成して建設された。自然保護のために、施設建設地の面積をできるだけ少なくすること、建設地にも樹木などを残すことが主張され、また、それが不可能として拒否されたことを、土田先生が記している。山林の樹木を採取して移植して使うことも考えられなかったようである。設計会社のデザインで植栽が行われ、森林は開発するか、手をつけないかに二分され、公園と森林は分裂し、対立的な景観を持続している。
 3年前に開園した公園の樹木も成長してきたが、植栽木の管理は、人工的な公園を持続するだけに止まっている。支柱に縛り付けた麻縄が腐食されずに、幹に食い込んでいたりして、見つけると取り除いた。高木類は成長していけば、その自然の姿を発揮していくだろう。しかし、潅木類はほとんどが、高密な寄植えで、刈り込みするほど、生垣のようになり、株の中で枯れた茎が多くなって、株全体が枯死しているような状態も生じている。樹種によって相違するので、樹種に応じてどのような剪定が適切なのかを考えるひつようがある。また、景観として周囲の森林に調和させる上で、生垣を維持することも再検討する必要がるのではないだろうか。

潅木類の種類
 寄植えの潅木類は、アセビドウダンツツジシモツケユキヤナギエニシダ、ヤマブキである。周囲の森林から、もっと、その地にあった種類を現場調達できたであろうが、造園樹木で商品として得られる種類が選定されたようである。シモツケ、ヤマブキ、エニシダドウダンツツジは地域の在来種として選定されたのだろうが、この地に直接生育していたものかどうかはわからない。ユキヤナギは園芸種であって、自然には生育しておらず、アセビは温暖な地域の種類でここでは不適であったろう。
 この種類の選択は、造成によって破壊された自然の回復のための補植なのか、人工的な公園景観を強調するものなのか、どっちつかずで、植栽の意図がわからない。また、在来種を使いながら、直線的な寄植えで、人工的に使われていて、種類のイメージを損なっている。

潅木類の管理