2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

森林風致・風景学Ⅰ総論1,2

Ⅰ 総論 講義の構成と概要1 森林風致の意味について 私たちの生活の中で森林に接する機会はどれだけあるだろう。それは、生活環境の中にどれだけ森林が存在しているかにもよるだろうが、私たち自身が森林に近づきたいと考えるかにもよるだろう。森林に近づき…

森林風致・風景学 (講義準備)

10月より後期の講義「森林風致・風景学」が開始される。共同研究者と講義の構成に関して打ち合わせ、フィールドに出るためにバスの予約をおこなった。講義の構成はⅠ〜Ⅴ章で構成する。Ⅰ章は「総論」として講義の構成と概要である。Ⅱ章は「森林風致の理解」と…

環境循環における環境計画 

広域圏のゴミ処理施設を見学した。分別して集められたゴミは資源として再利用、焼却、埋立などで処理されている。とくに可燃物の焼却は、大気汚染への影響を微小にしており、高度な処理技術となっている。商品の生産と消費の結果としてのゴミを回収し、処理…

森林公園の計画論

森林公園は明治百年記念事業を契機として各地に作られていったが、より以上の要因は森林を戸外休養の場として利用する社会的要求が増大してきたことにあると考えられる。この要求に対して供給としての利用できる森林は生産的利用の減退による放置、大都市近…

森林公園時代の出現Ⅱ

昭和39年東京オリンピックは高度経済成長期中盤の国家的イベントであった。これに平行して東海道に新幹線が開業した。私はまだ、学生であったが、新幹線開業の数日後に乗車し、隣席の乗客から感動をもって話しかけられたことを覚えている。オリンピック東京…

風致を造園する方法論Ⅱ連続2(住宅庭) 

住宅庭の造園に当たって住人が主体であるのが、当然なのだが、造園家に依頼される場合を考えよう。造園家にとって自分が住み、利用するわけではない庭を依頼主の要求が実現されるような戸外環境の庭を作り出す。機能的な要求は施設、設備として実現されるが…

風致を造園する方法論Ⅱ続き(住宅庭)

新田のメタボリズムの造園への適用の考えに基づけば、人間ー生活と戸外ー自然環境の循環関係によって進展するのは、生活ーレクリエーションにおける快適性と自然環境ー光、大気、土地要因による環境形成との交互関係と理解することができる。田村の住宅庭の…

風致を造園する方法論Ⅱ(住宅庭)

人口、世帯の数だけの住宅があり、あるいは人口、世帯数以上の住宅がある(住宅統計はあとで調べるとして)。そうした住宅を居住形式として社会的、階層的な構造が歴史的に展開した概念図を示したのが西山卯三であった。その俯瞰のもとには近代的な戸建住宅…

環境循環における環境計画

造園を「人と環境のメタボリズムにおける環境改変の活動」ととらえたのは新田伸三先生であり、環境機能のための造園工学の論拠となるものであった。メタボリズムは生物を存続させている体内循環機構を表し、これを住宅敷地の範囲に広げれば住民の生活と環境…

風致を造園する方法論Ⅰ(概念)

人は生活するために住居が必要である。原初的に安全な住居は洞窟であった。閉鎖され、内部空間と外部へは入口だけであるような洞窟は確かに安全であったに違いない。しかし、自然環境の中で洞窟が存在するのは崖壁のある場所であるから、めったに存在するも…

森林公園時代の出現

ヨーロッパの都市はその都市所有の都市林を持つ場合が多いといわれる。日本には公有林としては存在しているが、それが都市林だとイメージできない。都市内、あるいは周辺に残存する森林を都市林だとする考えも成り立つが、これは都市住民の利用可能性として…

9月15日SA-stepsのオープンの日に森林風致計画研究所の総会を行なった。呼びかけた15人のメンバーの内、伊藤、杉田様が用事が重なり、出席できなかったが、残りの13人が集結した。遠方から、加藤、澤崎、生亀、澤畠様、伊那、松本から、小林、清水夫妻、前田…

岡崎文彬先生の森林風致の功績

私は昭和40年に北海道大学を卒業し、京都大学農学部の岡崎先生の造園学研究室に研究生で受け入れてもらい、翌年大学院修士課程に入学し、昭和43年に岡崎先生の推挙で京都大学附属演習林の助手の職を得て、昭和45年1月に信州大学に赴任した。岡崎先生には5…

ゴミ処理施設用地選定委員会

何故、表記の委員会に出席しているのか?上伊那広域圏において集中的に可燃物ゴミを処理する施設が必要とされ、伊那市がその施設を受け入れることになり、その用地を選定することになった。現在の消費社会は日々商品を持ち帰り、ゴミを生じさせる。多大の精…

人と森林の休養を通じた心理的関係

日記の表題は「森林風致」に一応の定義として示すものであるが、戦後の「森林風致の研究の展開」なのか、森林における風致施業の展開、その前提となる休養の場所の展開なのか問題となる。戦前の過程は谷本によって/「森林美学」から「風致施業」への展開/…

はじめてみました

ブログをはじめてみました。森林風致研究の戦後史をどのように組み立てるか、既に谷本さんが博士論文で記述しているところであり、また、小生が実体験してきた時期をも含んでいて、関係した人の顔を思い浮かることになる。岡崎先生、塩田さんなど。思い出話…