2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

長野県の「観光と森林」

きっかけ 「観光と森林」という題名の本が出版されたのが、昭和39年である。その頃、観光利用の増大とともに、観光開発が進められようとしていた。東京オリンピックの開催、新幹線の開通などに示される、都市問題、交通機関の革新の開幕の時期であった。高度…

高い空、低い雲

今日は空一面が雲で覆われているようにみえる。しかし、地表と雲の隙間に遥かな山々が光の中に浮き上がっていて、視線は遠望に向かう。晴れた日には地表にさえも注意していないのに、遠望に意識を誘っているように見える。地表の空間 展望する風景にとって、…

林内空間の視野

はじめに 森林の中に入ると、五感が働き、森林を構成する多様な事物が作用して、一瞬混乱し、次第にその混乱に慣れてくる。森林は混沌として知覚され、見知らぬ場所にとまどい、行き先を見失う。日常に慣れ親しみ、分かりきった場所で行き先を見失うことなど…

風景と観光

風景は観光にとっては対象として扱われる。しかし、観光は利用者の行為であるよりも、観光産業の面が強く出てくるようであり、風景は観光資源として扱われることになる。観光産業にとって風景資源の育成は不可欠であるとえる。しかし、観光産業による風景資…

2-5 1-1 森林美学から森林風致論へ

森林美と森林風致の相違 絵画的な森林美に対して、森林風致は行動に伴う森林環境の五感による体験である。森林風致における印象的場面は、森林美として意識される。それ故、森林美は意識であり、森林風致は体験であるということが出来る。 林学における森林…

2-5 森林の恩恵と機能

元来、森林は自然的に成立し、また、破壊されても回復するものである。人類の進化、幾多の文明の成立はこの森林から恩恵を受け、また、森林を破壊し尽くして消滅していった文明もある。 現代文明のもとで日本の森林の現状は何を問題としているのであろう。20…

1-1 大地の復権

都市環境に自然が欠除していると感じることは当然なものとされる。また、逆に都市にも自然があるという言も受け入れられるだろう。自然そのものと感じられる森林、天然林はそういってもよいが、人工林にも自然は豊富だということは該当する。森林が利用され…