2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生駒山系の棚田と里山

はじめに 田中淳夫氏に会って、生駒山の棚田に注目させられた。奈良盆地と大阪平野の古代の開発に関して、古島敏男「土地に刻まれた歴史」に詳しく、棚田の土手草と万葉植物との関係を見ようと、馬場先生と明日香村まで出かけたことがある。古代から中世、近…

森林レクリエーション

はじめに 戸外レクリエーションの需要増大が問題とされだしたのは、アメリカのORRRCレポートによるところが大きいといえる。そこに森林レクリエーションの項目は無かったのではないか?戸外は、自然環境であり、自然環境を水面と陸地にわければ、陸地には森…

庭園鑑賞の方法

はじめに 名園といわれる庭園を鑑賞する。名園を鑑賞するのに、鑑賞者を観察することになった。修学旅行生に観光客、外国からの観光客が目立った。観光シーズンなのか、名園はどこも混雑している。金閣寺や銀閣寺は庭園の鑑賞は無理なのだろう。ガイドの解説…

森林の中の森のイメージ

はじめに 森林の中に入って行った時、そこがどんな森なのかが経験されているはずであるが、ではどんな森かを説明することは難しい。森林というとき、どこにあり、どんな状態の森かを説明することは簡単であり、その森林に接近して見えてくるとき、簡単な説明…

上信越高原国立公園の利用減少と景観育成

国立公園の目的は国土の中で有数の価値ある自然環境の保護・保全と利用であり、戦後の利用増加に伴い、拡充が行われた。上信越高原国立公園は戦後に指定されているが、全国で2番目の広さを持ち、首都圏に近く、避暑に適した気候と多くの温泉地なども存在から…

生駒山の表裏

はじめに 人は物事、事物の表層しか知覚していないのに、その内部までも知ったと思い込んでしまう。そして、その内部は実は全く知らないのだ。後から内部の事実に触れた時に初めて、何も知らなかったことに気づく。しかし、その内部の知覚も以前の表層に当た…

北方林業表紙写真集

はじめに 北方林業の創刊60周年記念に2008年に発刊された北方林業表紙写真集をK先生から研究所あてに送っていただいた。この写真集は1956年から2008年までの北方林業の表紙写真から採録されもので、その84枚の写真は、すべて鮫島先生の撮影されたものである…

時代を経た庭園の鑑賞

はじめに 時代を経た庭園は様々な人から論じられている。歴史家、造園家、建築家、哲学者、宗教家、紀行作家、随筆作家などさまざまである。庭園の所有者、管理技術者は多くを語らないが、論者に加わることもあるかもしれない。現在は直接利用されず、文化財…

都市の開空度と緑視率の関係

はじめに 都市が高密となり、高層化するとともに、視覚的な環境がどのように、悪化するかという点で、開空度や緑視率が問題とされるようになった。狭小な街路を拡大しても、高層化した市街は、空が狭い点で、天空写真(魚眼レンズ)から開空度だされた。また…

野山から里山そして山林への変遷

はじめに 戦前に四国に生まれ、戦後に育った私は、小さな頃は食糧難で、農村への買出しに両親に夜道を歩いたことを覚えている。港や山が歩くには遠いところにあったが、子供には長い1時間近くかかるところを、時々、友達同士で駆けていったことも覚えている…