2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

風致と景観・風景デザインと景観工学

はじめに 景観に等級がつけられるのであろうか。自然と人工との関係で、より多く自然が残る地域、人工の比重が大きい地域で、量的な等級は簡単に出来るだろう。住み心地として自然と人工の割合を評価するとどうなるだろう。人工の都市で自然が不足し、自然に…

地域計画の成立条件

はじめに 地域計画という言葉はあるが、実態は定かではないというのが、聞きたいところである。ダムや道路の計画があり、環境評価の問題から、評価の検討委員会が作られるが、既に建設計画が作られた後の話である。そうしたダムや道路が何故必要なのかは、別…

景観から風景の理解

はじめに 風景や景観が、日常的な知覚であり、経験である点で、もっともらしい技術や科学などというものも、おかしいのかもしれない。平易に日常の経験を洞察して、それらの経験を再構築すれば、よいのではないか。風景画家が、深い観察によって気付いて描い…

植物は感じ、植物を感じる

はじめに 植物と動物の違いは何か。動物は生存のために、すなわち、食物を獲得し、外敵から逃げるために、環境を感じ、移動することが必要なのに、植物は、一端、生育を始めた場所から移動できないことである。動物が神経組織を持って、感じ、移動するのに、…

魂の造園論

はじめに 神部さんより、これまでの講義録を完成させるために、ブログで「庭園探求講義録」を書いており、読むことを勧められた。随分の大著であるようなので、読み始めるのに躊躇しているのであるが、実感のこめられた造園論を楽しみにしている。 「魂」は…

南アルプス 山岳景観の景観要素と評価

はじめに 日本は島国であり、海に囲まれ、山地が多い。こうした日本風景の特徴を志賀重昂が「日本風景論」として記述し、地学的な風景論を展開している。しかし、風景への意識の面からは花鳥風月の日本の伝統的な意識を尊重している。国立公園設定を前にした…

公園の森林施業

はじめに 施業林を公園としたのか、公園に施業林があるのか、時代の流れのとともにその意味が変わってきた。松本アルプス公園の場合、施業林を公園としために、公園内に施業林があることは当然である。しかし、公園内の施業林は施業林として取り扱われないた…

森林の林冠と林床

はじめに 森林は高木の集団によって構成され、草原は高木類の庇護を受けず、ササ類など以外、草本類は地上部で越冬することができず、種子か地下部で生存する。乾燥地帯では乾燥時期を草本類は地下で耐えており、乾燥に耐える高木類が少ないために、草本が優…

アカマツ林の保存

はじめに 公園のアカマツ林がマツ枯れ病のために、伐採され、薬剤で燻煙処理?された材がビニールに包まれて林地の各所に置かれている。マツの葉が赤くなるとそうした伐採処理がなされるようである。よく見ると、切った跡のアカマツ林の中にも、葉が赤くなり…

唯物論の自然美

はじめに 美は高次な意識であり、物質的な環境からはるかに隔たった観念の領域へとつながっている。芸術をその観念の外化とするなら、物質的な環境は芸術の材料に過ぎないだろう。しかし、人間も物質的な存在であり、人間の観念自身も物質であると考えれば、…

ニセアカシア林の倒木

はじめに 防災のために植えられたニセアカシアが倒木によって斜面の崩壊を引き起こすとしたら大きな矛盾である。ニセアカシアはマメ科であるために、窒素を固定して貧困地にも植えられているが、斜面のあちこちで目にする倒木は何故生じるのであろうか。ニセ…