2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

森林風致 木曾赤沢自然休養林

松川氏の増川施業試験林における戦前の研究は、森林を面的な自然動態の循環としてとらえる画期的なものであったといえる。その動態を生かした施業法の展開が見られる。しかし、戦中、戦後の乱伐、戦後の住宅需要に応じた森林伐採は、林業の経済性を優先し、…

森林風致 自然美の仮説

森林美学にとって森林の美が問題とされたが、森林美にとって森林風致はいかなる関係が生じたのであろうか。中村先生は、風致は美を包含しており、視覚的な視野の広がりを風致とし、視野の中心に美が意識されるという仮設を立てた。フォン・ザリッシュにおい…

森林風致 ヒバ林

青森県大畑と増川に国有林が設定したヒバ天然林の施業実験林がある。昭和43年10月に岡崎先生のお供で見学をさせていただいたことがある。置戸と同じ「風致施業に関する研究」試験研究の一環の見学であった。やはり、何故、この施業試験林が見学地として取り…

場所と場面の構造 市民の意見

自治体において住民の意見は、間接民主主義といわれ、選挙を通じて首長や議員を選ぶことで反映する。しかし、地域、地区の利害に関係して住民運動が生じる。あるいは、地域住民の利益代表として地区から議員候補が推される。こうした点から間接民主主義は、…

森林風致 置戸試験林

北海道置戸には照査法の試験林がある。昭和30年に道有林内の79ヘクタールに設置されたもので、岡崎先生の指導を仰いだということである。昭和42年度、岡崎先生を代表として試験研究「森林の風致的施業に関する研究」が行われることになり、昭和43年10月に1週…

場所と場面の構造 地方都市の住環境

地方都市の居住地は、中心市街からその周辺、近郊地域、農村地域、山村にまで広がっている。商業、農林業など以外の土地に拘束されないで、自分の居住地を選択する人々は、どのようにして選択するのであろうか。自宅である場合は、一度、場所を選択して住宅…

森林風致 アルプス公園

昨年、アルプス公園の拡張と再整備の完成は、松本市百周年の事業のひとつであった。公園の開設式典には、建設に関係した地元、建設業者などが多かった。公園の再整備部分は、入口に当たり、式典のための花壇などもなく、芝生と樹林に遊具などが設置されて、…

場所と場面 近代から現代へ

近代初期とは、現在から200年前近くなるのであろう。その3分の1の年数を生きて、時代の変化を体験した。第二次世界大戦、終戦後の混乱、東西対立と経済の回復、高度経済成長、ソ連解体と後進国の近代化進展と安定経済、バブル破綻と経済再建を経てきている…

森林風致 林内空間と事物の知覚

視野に写る林内の全体像を背景として、注意は全体像の一部に向けられ、事物が知覚される。全体像は空間であり、注意された事物は、その空間のどこに位置しているか、それは何かが、一瞬の内に認知され、様々な事物に注意の視線が移動する。林内を構成してい…

森林風致 林内の視覚構造

視覚は、外界を目を通じて全て脳内に映し出しているという、しかし、意識される対象はその外界像の一部に注意が向けられた時に生じる。注視対象とその背景との関係が生じるわけである。一方、背景もまた視覚を構成する一部である点で全く意識されないわけで…

森林風致 林間歩道

登山道の整備は毎年必要である。主に草刈が主であろう。草刈が滞ると踏み分け道は1年間でどこか分からなくなってしまう。しかし、林間の道は、日陰となり林床の植生の繁茂は抑制されるので、草刈はそれ程、必要ではなくなる。一方、裸地となった路面は、坂で…

森林風致 自然公園内の森林

山岳や高原を主とした自然公園の景観は、山頂や高原台地が中心として取り上げられる。しかし、面的に最も大きな比重を占めている景観は森林である。森林という背景の中に自然公園の主要な景観要素があるといえる。しかし、森林は山頂の眺望景観の背景だけで…

森林風致 森林休養

戸外レクリエーション活動が森林で行われることにどのような効果があるのであろうか。森林だけに限らないとすれば、草原、農地、海岸、都市、施設環境を上げることができ、それぞれ、レクリエーションの環境として選ばれている。活動する⇔休息する、施設⇔自…

森林風致 樹冠の中

近くの山々の山肌は様々な樹木の樹冠で覆われている。針葉樹と広葉樹は形と色でコントラストがあり、カラマツは針葉樹であるが、広葉樹と形でコントラストがある。アカマツは針葉樹の中で円錐形ではなく、枝が水平に伸び、緑濃い群葉が上に向かっている。広…

森林風致 演習林

林業技術という雑誌を取り始めたのが1970年であるが、以来、2007年まで全てそろっている。その37年間に林業の動向は大きく変化しており、記事の内容は時代を反映しているのであろう。林業白書からも時代の変化と政策の転換を読み取ることができる。この間に…

風致と風景 農村住民の風景評価

富県区の活性化、グリーンツーリズムの推進活動のもとで多くの住民と接し、また、地域活動の動向などを聞いてきた。富県区は農村景観を主として構成され、6地区を包含し、各地区はさらにいくつもの集落に分かれている。住民組織としては、区、地区、常会と…

森林風致 林内の視覚変化

林内の環境を構成する要素は多様であるが、晴れた日に林外から林内へと移動したとき、明るい場所から暗い場所への移動で目が順応しないだけ、鮮明に林内の構成要素を判別できない。やがて目が慣れても何に注目するかに戸惑いがある。その間に全体的な林内の…

風致と風景 地域制自然公園の考え方

自然公園制度は、田村剛などの国立公園制度の検討のもとに、地域制がとられることになり、今日も継続している。地域制は区域指定を行うということが特徴となるが、国が主導して国立公園の区域指定を行ったといえるのであろうか。戦前、最初に指定されていっ…

森林風致 自然公園の森林施業

自然公園の保護地域の森林は、景観として固定的に持続するものと考えられ、保護が重視されてきた。というよりは、森林施業は林業の問題であり、施業を制限することだけで自然公園としての景観保護が図られてきたのではないだろうか。その結果、保護がはから…

森林風致 戸外休養利用

近代において、休養利用が増大し、都市周辺の森林には利用施設の整備が行われた。あるいは残された森林などの自然地が利用されるようになって、保全の運動が行われるようになった。また、都市内部では住宅の衛生環境の悪化とともに、都市空地、庭園の開放、…

場所と場面 物質循環

この現実世界はすべて物質でできている。その最小の構造は原子であり、原子によって構成された分子であることは誰もが認識し、自然科学の研究が進展し、さらに認識が深められている。生物の最小単位が細胞で遺伝子によって細胞から構成された生物体が再生産…

場所と場面の構造 田園空間の生物多様性

快適で永続的な居住環境が田園空間を再生、利用することによって実現できる可能性があるという科研を行って3年目となる。その最終年に報告書を提出することになっている。いくつかの専門分野による共同研究としているが、共同研究の困難さに直面している。農…

場所と場面の構造 故郷

私には故郷はない。四国に生まれ、阪神に出て、北海道、京都から現在住んでいる信州に来て、40年近くを過ぎ、終生の地になりそうである。両親の故郷は北九州であるが、四国、阪神から、東京に出て、奈良を終生の地に選んだ。母の実家は、魚屋で祖父母の代に…

風致と風景 文学からの風景

様々な人が風景を語る。あるいは風景によって地域の特徴を語る。文学にとって風景は場面の背景であり、場面はドラマの状況の一断面である。

風致と風景 上信越高原のイメージ

上信越高原の全体イメージは、軽井沢と浅間山 草津温泉と白根山と志賀高原、妙高山や戸隠、谷川岳などの地区を包含した国立公園区域からは浮かんでこない。また、大雪山についで2番目の広大な面積となっているが、シンボル的な山などがなく、分散したイメー…