2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

森林風致 神社と公園 

古代的な神社と近代的な公園が、近隣社会の公共的な利用の場所として共存していることは面白い現象である。しかし、環境として有機的な関係が生まれていないのは何故であろう。神社は古い共同体に依拠して成立してきたもんであり、公園は自治体による市民の…

場所と場面の構造 部分と全体

人は部分しか見れず、人によって見る部分が違うために、部分から全体を推定しようとしても、異なる全体像を想定していることになる。このようなことを、レオヒューバーマンという人が本に書いていたことを思い出す。群盲、象を見ず、あるいは、木を見て森を…

場所と場面の構造 生活空間の構造

生活を個人の時間的側面から見出し、様々な行動の集積した生活時間の構造が明らかになる。また、生活を規定する消費の面から、家計としての構造をとらえることができる。そして、その消費の結果として個人の所有物、利用する組織の施設の配置を見出す。そし…

風致と風景 山岳インタープリテーション

インタープリテーションに一昨年、上高地で参加して体験したことがある。自然解説とは異なり、利用者自身が自然に触れて啓発されることを、インタープリターが助けるために一緒に歩くものである。確かに、ただ、歩いている時よりは、認識が新たになったよう…

森林風致 森林と公園

公園と森林の相違は何か? 公園は、住宅に附属する庭園の共同的、公共的な開放として成立した。新たな公園も都市における庭園とのイメージがある。庭園であるから居住の場として、戸外の休息を求めればよいのである。樹木は存在するが、庭園の一部の要素であ…

森林風致 和洋の森林のイメージ

1 和洋の森林のイメージの相違 西洋 創られた森 森林を人が関わって創るものとして親しまれる 日本 自然の森 生活に対置される資源の森として、利用されるが、尊重されない 以上の森林イメージの相違は、F先生から疑問として提起された課題であり、この仮説…

場所と場面の構造 郊外住宅地

地方都市においても郊外住宅地は各所に見出される。東京、大阪などの大都市では、郊外住宅地開発は戦前より行なわれ、あるいは、都市発展自体が都市拡大が郊外化と市街化が連続して進行する状態といえたかもしれない。これらは電車路線の建設と平行し、電鉄…

森林風致 森で遊ぶ

今日、子供が森の中で遊んでいる姿を見かけた。ヒノキ林の過密な森で、暗く、林床も疎らで土が見えるような状態の中を、7,8歳であろうか、崖の上から、見下ろして、崖を滑りおりる機会を狙っていた。まるで、原始人のように土にまみれていた。よく見ると、滑…

場所と場面の構造 場所と空間の関係

場所とは何ををさしているのであろうか。地表上、あるいは生活行動圏のある位置を示すものか、位置を中心にした範囲を示すのか、あるいは生活行動圏そのもを指すのか、さらに、地表そのものを指すのか、不明である。空間が宇宙までを指していることと同様の…

場所と場面の構造 生活空間の概念

個々人の様々な行動は、1日単位で生活に包括されている。そこで、個々の行動空間を包括して、生活空間が成立していると理解できる。生活空間の拠点として居住空間があり、居住を中心にした生活行動をもって生活空間を理解できる。生活空間の集合体が、地域の…

場所と場面の構造 地域社会

近代における都市への人口集中は、それまでの社会が基盤としていた共同体社会から、個人を独立させ、自由を強調する社会へと転換させる背景となった。一方、個人は他人と区別されて孤独となり、社会に対する立場が稀弱となった。これを補うように行政組織の…

風致と風景 事物の外観

環境の知覚は、様々な事物の外観によって生じる。外観に対して内観という概念が対置されると考えられるが、事物の外観の知覚を、どのように意識するか、あるいは、内部的な意識の作用がどのように生じるかを考察することを内観ということのようである。事物…

場所と場面の構造 田園環境

農村は農業を営む村の意味を示しているが、田舎という言葉は、都市に対して使われ、田園もほとんど同義であろう。しかし、田園は田園都市と結びついて、広まった。確かに、ベートーベンの田園交響曲としても知られ、使われていることを考えれば、もっと普遍…

場所と場面の構造 視覚

風景は視覚を中心に知覚される点で、心理学が最も大きく関与している。現在、心理学は脳科学と結びついて、かってなかった知見を生み出し、知覚の体系的認識に到達しているといえる。感覚から認知、行動の連関した認識は、風景の知覚構造を以前の認識から転…

場所と場面の構造 主体の知覚

主体が行動する上で、行動する場所の環境を認知しなくては行動できない。認知の第一段階は感覚によるものだが、感覚から環境の一部としての事物を認知するために、感覚は補正されて知覚される。そして主体の行動目的によって注意される事物は影響を受ける。…

風致と風景 風景知覚の成立

視覚から風景はどのように意識されてくるのであろうか。仮説であるが、まず、視野における全体視がある。次に、視野の中で注意する事物へと注視がなされる。注視したした事物の認識から周辺の事物の関係を意識し、構図としての知覚が成立する。これを「眺め…

場所と場面の構造 空間

空間は建築に相応しい言葉である。人体の動作と行動に対応して作られた空間が建築であるからだ。しかし、宇宙が空間と言われる時、空間は無限の彼方に広がって、限定された空間から観念としての空間となり、天空の視界によって知覚される。天空を空間の側面…

風致と風景 色彩

明暗の対比は、戸外と戸内、昼と夜の違いで陽光の遮断と有無によるのであろうが、林外と林内は、明暗だけの差ではない。林内は暗がりではなく、陽光と陰、直射光と間接光が交叉し、視界の広がりが陰影の奥行きとなって広がる。夜の林内は闇が濃淡となる世界…