2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

雑木林の再生

はじめに 武蔵野の雑木林は国木田独歩によって世に親しまれるものとなった。雑木林は農家の薪炭生産のために作られたもので、明治以降の東京近郊の農林業の展開の中で生み出されてきたものであることは地理学の課題にもなった。都市の発展は、当時の暖房に膨…

森林美学の再生

はじめに フォン・ザーリッシュの森林美学は、時代的に、ドイツ帝国の成立(1871)と第一次世界大戦の間を背景に著され、流布し、メーラーの恒続林思想へと受け継がれたといえる。しかし、第一次世界大戦(1914−18)は森林美学の展開に大きな障壁となったこと…

公園林施業の計画

はじめに 公園内の森林を管理する上で、広大な区域を毎年、全域を見てまわって、管理することは困難である。その結果、利用区域に接して、目に付き、問題となる箇所だけの応急処置に終始することになるのではあるまいか。 森林で問題となる点は、倒木、枯枝…

民主社会における生活空間の再建

はじめに 近代社会における民主主義は、今回の災害で顕在化したように、工業文明と資本主義を土台として成立しているようである。しかし、憲法においては、個人の自由と権利、義務による民主主義の社会的土台の上に、経済活動が行われ、経済活動は企業の利益…

被災と救援における民主主義

はじめに 未曾有の災害に、巨大な被害が生じて、被災者は勿論、そうでなかった人々の生活にも、激変が生じている。これらの社会的混乱から立ち直る必要がある。行政、企業などの組織的対処とともに、個人の努力が必要とされている。個人として、今は救援でき…

生活環境の知覚における風景

はじめに 風景は見る人と環境の知覚の中に成立している。風景の知覚は視野に成立する絵画的な構図であり、その構図を構成するのは環境の事物を要素に分類し、要素の構成に絵画を意識することによって統一的に構成しようとする意識の作用といえる。見る人は生…

日常の風景、風景の観光

はじめに 日常生活している場所で、観光客を見るのは少し優越感を感じる。観光客は何を見ているのだろうか、よく見てもらいたいと思うのだが、観光客の目のつけどころは、生活者と相違するようである。そして、観光客はみやげ物店や観光客向けの飲食店に吸い…