2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自然保護と環境保全

はじめに 経済活動における人間の過大な進出に、自然環境は破壊され、その結果、新たな環境問題が発生する。国立公園とされた山岳地域にさえ、観光開発を期待する道路建設が進行したのが、1970年代の列島改造論の時代であった。もうその時の仲間も年老いてい…

ニセアカシアの谷

はじめに 松本アルプス公園の東の入口は、谷を長い橋がかけらている。その谷は一面にニセアカシアの林となっている。公園拡張整備計画の論議に、ニセアカシアの林は自然環境ではないとして問題となった。今、花の咲く季節となり、この谷から沸き立つような甘…

ゴミ処理施設の立地問題

はじめに 平成19年から20年にかけて、上伊那地域のゴミ中間処理施設の立地選定委員会の委員を務めた。以前、小規模なゴミ処理場が分散していたが、ダイオキシンの問題が起こり、その対策から、大規模な処理施設の必要が生じた。各市町村で行ってきたゴミ…

過密都市の樹木

はじめに 東京の都心は、銀座に始まり、いくつも存在している。それらの都心の境界があいまいで次の都心に連続しているとすれば、そのいくつも存在する都心を含めた地域も都心と呼ばれることになるのであろうか。都心を中心とした地域には大小の建物が隙間無…

視覚とイメージ 

はじめに 最近、頭で考えたイメージを画像として映し出すことができるようになったという。色彩を巡るニュートンとゲーテの論争は有名な話であるが、刺激となる光そのものの性質をニュートンが明らかにし、その刺激によって生じる感覚と内的意識までをゲーテ…

ぶどう園の光と影

はじめに ぶどう園の農家の方から、ブドウの栽培について話を聞いたことがある。一枝にブドウの房は一つつけるのだという。だから、枝となる芽を残して剪定して、その枝の葉に当たる光のための空間を確保しているのだという。光の当たる空間ー平面を計算して…

居住環境と自然の関係

はじめに 居住環境―住宅は人工的に作られたものである。しかし、土地、大気、陽光は、自然のままである。そして、この自然条件をも建物はシェルターとして遮断しようとする。遮断して生じた建築内部環境こそ、求めていた居住環境なのであろうか?建築外部に…

森林構造と風致施業

はじめに 森林を空間構造としてとらえると、天空を林冠が壁となる側方を林木の林立及び下層の林木が、地表は林床となり、暗い林内空間を形成する。林外に対しては、枝、下層植生の繁茂をもって林縁を構成する。しかし、この森林構造は林冠を林立を構成してい…

森林風致施業と保育作業

はじめに 森林に対する美的顧慮あるいは風致的取扱いは、風致施業が言われる以前によく使われた。一方、風致施業とは何かといえば、多くのこれまで開発された森林施業に対して特別の施業方法が提示できるわけではない。森林施業は森林育成と継続を木材生産を…

立科・津金寺

はじめに 昨日、津金寺の住職様から20年ぶりの電話があった。20年前も突然の電話で、境内整備の計画を見てもらいたいとの話から始まった。すぐさま、立科の津金寺に出向いて、話をうかがい、境内を見せていただいて、老朽化した建物の改築の計画をお聞きした…

松之山 キョロロ館の展開2

はじめに 松之山町は十日町市に編入され、キョロロ館も市の施設となった。キョロロ館の建設は松之山町の時代に行われ、町としては巨大な事業であるだけに、大きな期待が込められていたにであろう。それは衰退する山村の地域づくりの切り札であったのであろう…

風景の模型(5)立体

はじめに 空間、空気に対して、かたまりは立体であり、空間を凹とすれば、立体は凸の関係にある。セザンヌは視覚的な凸を、実在としての立体としてとらえた。セザンヌの絵画にあっては、山が量塊であるのはもちろん、海でさえも量塊としてとらえられているよ…

森林風致計画研究所の希望

はじめに 周囲からの森林の欠除に、喪失感が生じることに、森の口さんからコメントをいただいた。現代では誰もが、森林に限らず、多くの喪失感が感じている。それらの喪失感に真正面から向き合って埋めることは簡単ではない。喪失感を紛らわすことを問題とし…