2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

森林風致 ニセアカシア

アルプス公園の渓流の谷の斜面はニセアカシア林となっている。小さな頃、ニセアカシアの藪で棘に難渋したことがあったので、森林となったニセアカシアは同じ樹木とは思えない。今の季節は広葉樹の芽吹きが一斉におこり、その新緑は日増しに枯れ木立だった森…

森林風致 林業と環境

林業が成立していれば、それに伴って森林環境は「よい」はずである。このような仮説は割合に信じられている。しかし、林業がどのような状態で行なわれているか、よいという評価は何によって行われるかが問題である。林業を戦後、植林による人工林を指して、…

場所と場面の構造 限界集落

山村は厳しい自然条件の中にも、自然の恵み豊かな場所であったから、人々の生活が成立していたのであろう。厳しい自然条件が自然の恵みを少なくし、僅かな生活の可能性を奪うような場所には、人は住めない。しかし、日本の集落は山間奥地にまで広がっており…

森林風致 シンポ

森林風致計画研究所の総会が昨日、開かれたが、それに先立ち、森林風致をめぐるシンポジウムを行った。概要はこれから、書記としてまとめなくてはならないが、NPOメンバーにとって森林風致の課題に様々な立場から直面していることが明らかとなった。森林風致…

風致と風景 空間の内外

風景計画の野外演習の課題は、戸内・戸外の比較、林内・林外の心理的な比較であった。これはさらに、住宅地の内外、農村集落の内外、工業地区の内外へと広げることができる。さらに、都市地域の内外、農村地域の内外、自然地域の内外へとスケールを拡大する…

風致と風景 殺風景 材料―物質

人間も物質に換言できる。しかし、いかに複雑な物質であるかということが、追究されている。しかし、生物のいかに複雑な物質であろうと生体である活動をやめてしまうと分解し、単純な物質、分子、元素になって、形態を失っていく。もはや、その物質が生体を…

風致と風景 空間の集合と風景要素

樹木の集合が森林であり、住宅の集合は住宅地、農家の集合が集落である。住宅地、集落は単なる集合ではなく、宅地に道路が連結し、住民生活に必要な共同的施設が附属している。公園、集会所であり、消防などの施設である。集落には水路があったり、神社、祠…

風致と風景 行動空間の知覚

戸内空間は生活行動に即応して人間尺度であるとともに機能的に計画されている。また、戸外の環境を調節するシェルターとしても機能している。個人の住居である場合には、個々の生活形態に応じて、家具の配置、室内装飾などで修正して、生活行動に適した空間…

風致と風景 風景の視覚構造

行動において環境を五感で知覚することが必要とされる。目による視覚で見ることに意識したところに「眺め」「景色」「風景」の異なる視覚構造を見出し、考察できると考える。見るは見えるという対象からの刺激の受容と対応している。見ることが行動に付随す…

風致と風景 風・大気

風景は大気を透して知覚される。あるいは大気に満たされた空間を知覚しているのかもしれない。桜の花が風に舞って散り、視界を遮るけれど、風景を一瞬、背景に変えて、空間の奥行きを鮮明にする。大気は気流の風となって空間を流動し、事物にぶつかり、風景…

場所と場面の構造 地域開発

地域開発はいまや死語に近い言葉となってしまったと思われる。地域開発に対抗して、公害問題が生まれ、自然保護運動が展開した。こうした混乱を計画的に解決しようとしたならば、地域計画が成立していたであろう。地域開発は産業を優先させ、自然環境を資源…

風致と風景 風景の成長

柳田國男の文章に「風景の成長」の題名で書かれたものがあった。風景が環境の眺めに対する美しさの選択であると考えれば、美しい眺めが成長すると言い換えることができる。柳田は農村の眺めの美しさ、すなわち、風景として見出せることの理由をを考察しよう…

風景と風致 風景を追究する学生

風景計画演習という講義を担当している。今年の演習が開始し、膨大な風景の論議や追及の概観をかいつまんで、風景について説明をした。途中で学生の方に眺めに対して風景を何と考えているかを書いてもらった。演習の受講者は何と28人もいたので、いろいろな…

場所と場面の構造 行動空間

生活のための行動範囲が生活圏ということができ、生活圏は様々な行動の場で構成されるということができる。行動は、行動の場の環境を知覚し、環境への反応としての行動が成立する。環境における空間条件の知覚は、行動の可能性を判断させ、条件の選択ととも…

場所と場面の構造 生活環境

主体とは自己意識によって行動する人間ということにしておく、主体の行動は生存のための諸活動が中心であると考えられるから、行動の基本は生活といううことになる。生活する上で、関係する環境の総体が生活環境であり、様々な行動の場所となる環境が含まれ…

風致と風景 風景美

老木の桜も満開となって若い桜には無い美しさがある。冬の間、痛んだ幹、枯れ落ちた枝をさらして、肩身狭く立って入た老木が、長い年月、花を咲かせ続けた年月の蓄積を発揮して、若い桜には無い美しさを発揮しているのだ。老木はもう成長の必要もなく、花を…

場所と場面の構造 焚き火

自然エネルギーの利用が、地球環境の持続に必要だと言われている。私の小さな頃は、かまどがあり、七輪があって、煮炊きは薪や炭によっていた。暖房も火鉢に炭団や炭で温まった。湯たんぽの炬燵も欠かせなかった。しかし、明かりは電灯があり、かろうじてラ…

風致と風景 快よさと美しさ

美しい風景、快い風致の表現はあっても、快い風景、美しい風致の表現はまれではないかと考えるが、どうであろうか。これは、風景が視覚に由来し、風致が五感に由来しているからではないだろうか。快いを和英辞書で見ると、harmonious、fragrant,pretty,sweet,…

場所と場面の構造 散歩

居住の場、家から外出し、どこかに出かけるには、自動車、自転車、バスや電車などの交通手段を使って移動するが、基本は歩くことである。こうした交通手段は歩くことを補う手段であるとともに、歩くことを制限し、自動車、バス、電車などは、休息空間そのも…

森林風致 地区住民の森林育成

自治体の行政組織は、市民一般に向けられているが、実際、住民サイドでは旧来の集落と旧村などの区などが近隣や地域として、生活単位となっている。自治体としての伊那市に旧村などの区があり、支所が置かれており、また、住民は自治的な活動を区で行ってい…

場所と場面の構造 地域計画

生活は居住を起点とする点で、居住環境の改善が問題とされてきた。歴史的な過程のもとで、集中的な居住の行われる都市環境が、衛生上の問題を解決すること、安全性が確保されることが問題とされ、19世紀末には、都市の利便性の発揮と農村の自然環境の導入に…

森林風致 海岸林

砂浜の海岸、海岸からの夕日や朝日は水平線と空に広がる陽光の華々しさを水面の輝きに映し出す。波打ち際に寄せ来る波が砂浜に一瞬の輝きをもたらし、時間を忘れさせる。人々は夕日に向かって波打ち際に足跡をつけ、波がまたその足跡を消してゆく。陸と海の…

森林風致 残存樹林

森林は農業が始る以前は地表のほとんどを覆っていたにちがいない。また、その森林は人為の介在の少ない天然林であり、原生林の状態が想定される。人類の進化が道具の使用とともにあり、自然を改変する火の使用、さらには、植物の栽培として農業が始り、広ま…

森林風致 ススキ草原

植生遷移の系列は各所に示されており、1年生草本から多年生草本・高茎草本の草原へ、陽性樹の森林から陰性樹の森林への変遷を知識と知っている。草原には自然草原と畜産などに造成された人工草原があり、自然草原にもシバ草原とススキ草原、これにササ草原、…

森林風致 施業林の風致

林業経営者は、日本では数の上で僅かであり、経営規模も数百haが多いのであろうか。大学演習林の経営規模で考えれば、200haで内、100haをヒノキ林として経営区域と考え、0.3haを伐採すれば、輪伐期はおよそ300年となる。技官、技能職員が数人の体制では、教…

森林風致 風致の主観性

自己という意識は同時に自分に対置する他人を意識するものであると理解され、脳科学においても自分という意識の所在がどこに、どのように成立しているかを問題している。人間に限らず、動物は植物には存在しない神経の活動があり、環境を感じ取って反射的に…

森林風致 都市と森林

市街が山地に近接し、市民が普段に森林環境に接することができる都市がいくつかある。奈良、京都、鎌倉の3古都もそうである。都城を立地させる上で、盆地や背後に山地となるような立地が選ばれたことによるのであろう。また、近代当初の開港地となった長崎…

森林風致 ナラ林

針葉樹と広葉樹の樹形は、円錐形とほうき型で入れ込むように違っている。針葉樹でもアカマツは傘型で円錐形とは言いがたく、広葉樹にもとほうき型とはいいがたい樹種もあるだろう。針葉樹はカラマツを除き、恒葉が多く、広葉樹は亜熱帯ではほとんど恒葉で、…