2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

森林の機能

はじめに 「森林の多機能性の発揮」が、森林政策の柱となっており、林業目的が中心の政策が後退しているようである。以前には「利益と効用」といわれ、林業における経済的利益に付属するものとして環境的効用が考えられていた。効用と機能の相違は何であろう…

山寺先生の直根論と土壌

はじめに 山寺先生は緑化の技術研究の第一人者であろう。道路法面や山地の荒廃地は、侵食が激しく急速な緑化が必要となる。人工的な法面に、土壌を安定させ、種子を吹き付ける緑化工法は新田先生が開発したと聞いている。しかし、牧草による被覆は、植生遷移…

庭の設計

はじめに ごく若い頃、人様の庭を設計したことがある。これまでに、数えて3回だけであり、実際に実現性は定かでないので卓上プランだけだったといえる。材料や施工の面の検討は実施の経験もなく、本の知識を借りるだけのものだった。設計といっても、施主の…

森林風致の展開

はじめに 森林風致研究所の掲げる森林風致を活動としてどう展開するのか、年末に加藤さんよりメイルを頂き、構想を提示していただいた。会員にはかり、議論としなくてはならなかったが、現在までのびてしまった。核心的に森林風致とは何かを明らかにすること…

日本の庭ことはじめ2

庭の観照 日本庭園に関する本はこれまで、数多く出版されている。歴史をさかのぼって様々な時代に庭園が作られ、現在まで残された庭園も数多く存在している。数多い庭園の本は、残された庭園を鑑賞する読者のためのものも多いが、それは著者の鑑賞記録でしか…

美学の学習

はじめに エチエンヌ・スリヨ(1892- ):「美学入門」は1974年に翻訳、出版されており、以前に購入していたのだが、再度、読み直し、美学の歴史とフォン・ザリッシュ(1846-1915)の森林美学に影響を与えたものが何かを探ることにした。フォン・ザリッシュの森…

ピクチュアレスク

はじめに ギルピンとブラウンによるピクチュアレスクとビュティフルの論争は良く知られている。今回、フォン・ザリッシュがギルピンの著書から影響を受けた点で、森林の美にピクチュアレスクの考えがどのように作用しているのかに関心がある。ピクチュアレス…

日本の里百選 松之山松代 3

はじめに 松之山は山地で豪雪の地ですが、その厳しい自然条件の中で、古くより住民の生活が営まれてきています。その人々の生活の基盤は、その厳しい自然条件に適合したものであることに、住民の英知が感じられます。その風景は限りなく美しく、自然の山と谷…

日本の里百選 松之山松代 2

松之山の景観 外来者にとって、地域へのなじみがなく、ただ、目に映るものだけしか存在しないように見える。また、きた時の季節や、天候によって印象が左右されている。地表面の状態が景観とすれば、外来者の目に映る景観は、地域のごく一部であり、天候など…

日本の里百選 松之山松代 1

はじめに 松之山松代(まつだい)が日本の里百選に選定されたことを、キョロロの研究員の澤畠さんから連絡していただいた。松之山には松がないのに、何故、松のついた地名となったのか、廃校の前の宿舎に泊めてもらって、澤畠さんから差し入れのどぶろくを飲…

四国巡礼

はじめに 新居浜市に生まれ、小学校の5年の初めまで過ごした。戦後の貧困な時代に物資も食も不足した時代だった。しかし、山と海に近く、水田の水路の豊富な流れに、魚がすみ、トンボが育った。子供の頃はそれだけが世界だった。今思えば、海は港で、波もな…