2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

地域景観の個性

はじめに 各市町村の概要には、その市町村の特色が書かれている。骨格としての自然環境、構成する要素としての産業・土地利用や生活・施設、歴史などであり、景観の特徴として、理想的な生活空間が示される。山紫水明、類い稀な中心となる景観などである。 …

草原の思い出

はじめに 草原の思い出は大学に入った頃、両親と妹の4人で登った美ヶ原である。武石村の登山口までバスできて、そこから台上まで歩いて登った。暑い日、汗だらけになったが、台上は涼しい風が吹き抜け、休んでいる人々の仲間になった。はるかな見晴らしは空…

景観計画の谷間

はじめに 地方都市住民の長年の景観形成のための活動は、景観に関する住民意識を著しく高めていることを、駒ヶ根市景観計画策定委員会に参加して実感した。景観住民協定を締結した地区では景観保全の実効が上がっている。しかし、一方、協定が結ばれていない…

地方都市の発展と立地

はじめに 伊那谷の3都市の立地条件はそれぞれ異なり、それによって都市の盛衰が相違している。伊那谷の地形の特徴として天龍川による河岸段丘地形が挙げられる。伊那谷の3都市は飯田、駒ヶ根、伊那市である。市街が河岸段丘の崖上台地に位置しているのが、…

吉良先生の自然保護論

はじめに 吉良先生が逝去されたことをツウィッターで知った。多くの弟子の方々は嘆かれていることだろう。学生の頃より、吉良先生が密度理論の発見者で、その論文がいかに短いものであったことは学生間で語られていた。後に、四手井先生が森林の密度効果に適…

嵐の風景・平穏な風景

はじめに 日常の風景に目を留めることは、イギリスの風景画家コンスタブルの風景画の追求が示し、フランスのバルビゾン派の画家達に影響を与えたことが指摘されている。風景画家としてターナーはコンスタブルによりも著名であったかもしれないが、何故、フラ…

駒ヶ根市における景観計画の成熟

はじめに 景観行政団体を目指す都市が徐々に増大している。景観行政の実行を独自に展開する要求が増大していることがその背景にあるのだろう。上伊那では駒ヶ根市、伊那市が景観行政団体を目指している。景観行政団体となれば、景観基本計画を独自に作り、そ…

林間園地の持続

はじめに 林間園地にも様々なタイプがある。人工的な花壇、芝生広場、野草園、萩園、アジサイ園、そのほかの花木園、湿地園などが生駒の府民の森に見出される。これらの園地が園路の見どころの拠点となっている。しかし、草本や潅木の園地を持続するには管理…

コナラ林の林床と森林遷移

はじめに 裸地が草原となり、草原が森林となり、その森林はアカマツなどの林が落葉広葉樹林となり、落葉樹から照葉樹林や針広混淆林となって、終局相に到達する。この定説に従って、林床を見ていくと、林床は草原の残存であったり、次代の森林の先駆であった…

アルプス公園花の丘のササユリ

はじめに アルプス公園の花の丘は、アルプス公園の拡張計画に際して、自然環境の保護と開発の論議の中で、開発区域として人工的に作られた野草園の丘であった。しかし、野草の植栽は芝生の中に花壇を造って植えられており、公園管理では手入れが出来ないため…