2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

森林風致 植物季節

植物季節フェノロジーという専門分野があることを知ったのは、渡辺先生からである。志賀高原の研究施設に宿舎が附属し、その宿舎がスキーなどの宿泊にも利用できた。そこに渡辺先生の研究室があった。部屋に案内されて、写真機が窓に向かって固定されており…

風景の主体 野性

睡眠は眠くなって寝る、最近は3時過ぎが日常的となった。朝は自然の目覚めで9時すぎとなる。食事は空腹を感じてからとる。時に昼まで食事をとらずに、一日二食となることが、多い。食事は適度な満腹まで、しかし、干しブドウやピーナッツ、乾燥バナナなどが…

風致と風景 壮大な空間

空間は英語において宇宙と同義である点で、無限の広がりが想定されている。しかし、無限は想像の範囲を超えており、宇宙自体が有限の空間を想定しているように見える。満月は地球の親しい友を宇宙の孤独の中に知覚させる。太陽系惑星のきらめきと銀河系の星…

森林風致 それは何か

森林風致 それは何かと聞かれる。あれこれ言ってわからないと言われる。私は口下手なのだろうか?私自身、森林風致がわかっていないのかと自問する。しかし、副理事長は明快に提示することができる。これはそれぞれで考えをだしあって検討する必要がある。そ…

風致を造園する方法論 日本庭園

平安時代に現れた浄土式庭園から、夢窓疎石の庭園、禅宗の枯山水、小堀遠州の鶴亀の庭への変遷は中世から近世への急速な展開であったといえる。庭園の精神性の極致として夢窓疎石の庭園と禅宗の枯山水を位置づけてみると、対比的な物質的外界が考えられる。 …

風景の主体 自然保護運動

戦後、電源開発などの資源開発が各地で計画されるようになって、景観資源が危機にさらされるようになると、景観保護のために立ち上がったのは学者、知識人であった。尾瀬ヶ原の電源開発に対する自然保護運動は、日本自然保護協会を生み出し、その最初の会長…

森林風致 アカマツ

犀川沿いの山間地は山が迫り、崩壊地も諸所にみられる。地質がどのように違うかは分からないが、渓谷の松本側にはアカマツが目につき、長野側にはスギの植林が目についた。そのアカマツが断崖にへばりついている生息している様子に、中国の山水画の松を思い…

原生林の回復 南アルプス国立公園

南アルプス国立公園の指定は、景観資源として高山帯を含む山岳地域の原生林(天然林)の残っていること、登山利用の場であることが指定された理由であるといってよい。昭和39年の指定にいたる地域の運動は観光資源としての評価を高める目的もあったことであ…

風景の主体 登山家と登山者

南アルプスなどの山岳風景の主体は登山者であるが、かっては登山家であった。長谷村から大学に入学し、出会った伊東君は生まれついての登山家である。ある雪の降った朝に長谷村で伊東君に出会った。それまで山の中で過ごしていたという。鋸岳の山頂近いハイ…

原生林の回復 南アルプス世界遺産登録

南アルプスを世界遺産に登録する運動が、伊那市を中心に展開している。私はこれまで、この運動に無関心であったが、世界遺産とするには多くの問題があった。しかし、その問題を克服し、国立公園の質を高める上から問題の克服に向けて意義があるのではないか…

風景の主体 広域連合

上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会による検討が9回の会議の結果、報告書としてまとまってきた。たった9ページの報告書であるが、公開の委員会によって民主的な議事のもとにまとめられたといえる。私は伊那市ごみ処理中間施設用地選定委員会の立場で…

風景の主体 農業改良普及員

富県グリーンツーリズム推進委員会の忘年会が昨夜、開かれた。上伊那農業改良普及所が昨年より、富県グリーンツーリズムに肩入れをしてくれている。若い農業改良普及員が隣席にあったので、いろいろと話をした。地域に適合する農作物の栽培から流通までを農…

風致と風景 国立公園

国立公園は昭和6年の国立公園法に始まる制度である。田村剛の努力によって制度の骨格が地域制(専用的な公有地とせず、公園区域を指定し、公園の目的を他の土地利用の目的と調整して実現、維持していく方法)とされ、国立公園の目的を景観の保護と風景の利用…

風景の主体 グリーンツーリズム

農村の地域活性化の上でグリーンツーリズムの言葉が広まった。伊那市にもグリーンツーリズム構想があり、旧村の地区で取り組んできたところがある。この地区には私は十数年のつきあいとなった。明日は忘年会にと誘われ、出席しようかと迷っている。富県地区…

森林風致 カラマツとアカマツ

紅葉の季節は過ぎ去り、落葉樹は枯れ木の季節となった。木枯らしはまだ無く、夜の冷え込みは厳しいが、秋のぬくもりがまだ残っているようである。山々の山頂から下方へと白さが下降しているが、山麓にまでは及んでいない。山腹の森林は針葉樹の緑と落葉樹の…

風景の主体 子供の世界

子供の通学風景、子供のの叫び「あ、校長先生」。交差点にやさしいおじさんが立って、交差点を渡る子供たちに微笑みかけていた。続々と学校へと向かう小学生の群れ。それぞれ、母親から送り出されてきたことも忘れたように、仲良い友達同士が何か、話をして…

風致と風景 自然景観の人工化

自然景観の人工化が著しく、日本の長い海岸線の何十%かが人工化され、自然海岸が少なくなっている。河川も自然河川はほとんどと言ってよいぐらいに存在しなくなっている。森林も人工林の割合が高い。それよりも自然景観がどこにあるのかかが分からなくなっ…

風景の主体 山村に生きる人々

今、県自治研の和田さんより依頼された原稿に頭を悩ましている。山村に起こった風力発電施設の建設に関する問題である。忘れられた山村が、大企業や国の施策に大騒ぎになり、しかも、自然環境が破壊され、静かな生活が脅かされる被害者となる。地球環境のた…

森林公園の変質 森林セラピーについて

森林セラピーが事業として展開していくに連れて、その根拠の希薄さが明らかとなり、森林の快適性、森林浴にまでセラピーの範囲が広げられようとしている。しかし、これは大きな逆行といえる。森林浴は自然休養林制度が発足して、林野庁長官が森林利用のイメ…

森林行政の立場

県の森林行政において森林風致育成の展開可能性をはかる上で、森林風致計画研究所開設の挨拶をトップに行った。生活環境保全林事業の廃止、市町村への権限委譲など、逆に展開可能性の困難さを教えられた。行政の流れは、国の政策が都道府県を通じて市町村に…

建築の発想

森林風致計画研究所理事を含む出品によるコンペへの入選という大変、うれしい知らせがあり、選外佳作の賞状を受け取った。出品の主体はスタジオ・アウラの吉田さん、保科さんであるが、清水さんとともに協力して生まれた構想作品であり、F先生の強力なアイデ…

NPO森林風致計画研究所 いよいよ発足

森林風致計画研究所がNPOとして長野県の認可が得られる段階となり、法務局の届けで発足する段階となった。長野県の森林行政への寄与をはかる上で林務部長へご挨拶に明日出かけることになった。研究所の活動体制を説明し、展開の可能性を相談していきたいと考…

森林風致 森の光

太陽の輝きは、朝日か夕日で見ているが、昼間は上空にあって、その輝きのために見ることができない。朝日が山の端から上空にさしかかり、光線が側方から射すとき、耐え切れない眩しさに、目を背ける他はない。森の中から見れば神々しくも優しい光となって、…

弁証法 柔軟な思考・神部君への回答

神部君は長年の友人であり、私を先輩として認めていて、時に誰も考え付かない難問を投げかけてくれる。そこで、何とか回答を見つけて返事とする。植物の自然の中での絶妙な季節変化は、植物が思考するからに違いないと考えるが、どうかというのである。その…

風景の主体 枯れ草を焼く人々

草刈場はかって豊富に存在していた。そこにはススキ草原が成立していたと考えられる。現在、ススキの生える場所は高速道路の法面などに見られるが、草原の広がりは失われた。高圧線の下には森林になって電線に触れては困るという理由なのか、刈り払いが行わ…