森に入る人々

はじめに
 森に入る人々は森を受け入れた人といえるのではないだろうか。その森はどんな森なのか。そしてどんな人なのか。いや、どんな人かには関係なく。森を受け入れた人にちがいない。森自体が、受け入れる人の共通点、共同の意識を生み出しているといえる。それゆえに、どんな森が受け入れられるかが問題である。

山で働く人が受け入れる森
 山で働く人は、仕事として森に入る。その森を育成し、やがて収穫することが仕事の目的である。収穫は樹木と森林の成熟の結果である。その成熟は、育成の仕事の結果だけでなく、森林の自然自体のもたらしたものである。育成は林木のためだけでなく、森林の成熟を補助するものである。山で働く人は、森林の成熟を夢見て育成の仕事をすることだろう。木材の収穫も、森林の成熟を助け、森林を持続させるための更新を促進することができる。森林の成熟を更新させる木材収穫は、未成熟の森林の育成の目的や願望ではなく、現実の仕事の場となって、それを持続させることが仕事となる。