アカマツ美林の衰退

はじめに
 十年前に見たアカマツの美林が、現在、哀れな姿となり、枯れ上がった樹冠がまばらとなり、幹は日焼けして白っぽくなっている。松枯れ病対策のため、切られた木があちこちに見られる。(アルプス公園)一方、曲がりくねった低いアカマツで荒れた山が被われていた場所のアカマツをやはり、10年間前に間伐したアカマツ林は木は曲がった状態だが、樹冠の緑は濃くなり、豊かさを感じさせる。(千鹿頭山と溜池)
1994年、アルプス公園拡張計画の検討中
2010年11月、尾根の歩道のアカマツ


 烏川緑地に美しいアカマツ林があったが、私は間伐することを勧めた。そこなのかは分からないが、アカマツ林の衰退が顕著であるという人がいる。また、南箕輪村大芝公園林に100年生となるアカマツ林があり、美しい状態を保っていたので、間伐を最低限に行い、状態が維持されている。しかし、アルプス公園のアカマツを見て、心配となった。もっと、疎林にすべきであった。南箕輪村のある神社の境内林は200年生の大きなアカマツ林で、遠くから高い樹冠が塊りとなってみることができる。このアカマツ林でさえも、枯死がみられるようになり、間伐すると樹冠の閉鎖が失われてしまう状態に推移した。

美林衰退の原因の推測
 アカマツ林は樹高に応じた樹冠を確保しないとたちまち衰退するようである。樹高成長に応じて疎林状態で持続することが、必要なのであろう。均質な配置で樹冠の競争関係が生じない美林は、樹高成長とともに、樹冠は扁平となり、それぞれの林木全体が、衰退していくのであろうか。ザーリッシュ、メーラーの対象とした森林もマツ林であるという。どのように、管理したのであろうか。
 上記のアカマツ林を見に行き、衰退の状態を観察し、そこに作用する原因を検討する必要がある。