風景の創造

 朝日が出てくるまでの一瞬から朝日によって風景の様相が変化する。平板な陰影は色彩を帯び、陽光によって膨らみを帯び、遠景に向かって近景から中景へと視線が連続する。それとともに、大気が息づき、場所から眺望へと広がる空間全体が見る主体と一体となる。
 これこそ風景と言えるものではないかと感じる。どこを見ても視線のむくところ、すべてが風景であり、これこそ農夫の働きが生み出した田園風景なのだ。季節がすべての生物にみなぎる生命力を与え、土地の肥沃さは緑に覆われる、これこそ田園の春の風景。日々の気象の変化は風景に波のような変化を与え、風のそよぎがこの波を実感させる。

春には朝日
夏には昼
秋には夕日
冬には夜

季節と一日の日光の量が関係し、特徴的な風景を自然が創りだすのであろうか? 
気候帯が季節の長短と関係し、地域の特徴的な風土を創りだすのと同じように!