場所と場面の構造 場所の樹木の効果

 風が吹き、樹木が揺れ、陽光に照らされた葉が煌めいている。様々な木々がそれぞれの幹、枝、葉の特徴に従がって固有な動きをする。風によって人のいない場所も見る人を風とともにあるように誘い込む。もしも、そこに樹木がなければこのようには感じられないだろう。しかし、陽光の角度、天候は一瞬で変化し、風の変化はほんの一瞬であることに気づくのである。しかし、木の葉、枝、幹は風の変化にそれぞれの部分が身をかわすようにして、元の形を取り戻すのである。そして、風が収まるとともに静かなたたずまいに戻る。樹は風に合わしてその形を保って生きている。長年に生きてきた樹木はこのような風雪に耐えてその姿を現しているのか?だとすれば、樹形は奥深い作用の賜物なのであろう。その場所にあって生きて、その場所に働く風雪の作用を体現している樹木、樹木こそ場所の条件、特性を体現した存在ではないか?