森林行政の立場

 県の森林行政において森林風致育成の展開可能性をはかる上で、森林風致計画研究所開設の挨拶をトップに行った。生活環境保全林事業の廃止、市町村への権限委譲など、逆に展開可能性の困難さを教えられた。行政の流れは、国の政策が都道府県を通じて市町村に展開するものであったが、市町村への権限委譲で中央集権的流れが、分断されてきたことに問題が大きいことが感じられた。また、国と市町村の媒介の位置にある県の立場が稀弱になっていることも杞憂される。
 県下の森林全般にわたる長期構想、また、各地域の地域森林計画が作られているが、そうした構想の実現方法は、部分部分の森林現場に反映しているのであろうか?現場に対処した森林育成方法は、目的にあった技術の基準のもとで展開する必要があるし、現場対処の方法が蓄積されて、技術基準が成熟してくるものと考える。構想と現場の結合については、課題にもなっていないことに、失望の念を禁じえない。これまで何となく感じていた不満ではあったが、直接、対面してみて、こうした現実に対する批判と問題点を明らかにしていくことが重要と感じた。