風致と風景 自然景観の人工化

 自然景観の人工化が著しく、日本の長い海岸線の何十%かが人工化され、自然海岸が少なくなっている。河川も自然河川はほとんどと言ってよいぐらいに存在しなくなっている。森林も人工林の割合が高い。それよりも自然景観がどこにあるのかかが分からなくなっている。人類の影響力は自然を圧倒し、自然の存在をあまりにも希薄にしてしまった。希薄となった自然は感じることもできず、知ることはましてできない。
 大都市の市街地には自然の入り込むすき間さえもないようであり、人々も自然の回復を荒廃化として管理して人工にむけて修正する。自然景観は人工景観の覆いで隠されているだけなのか、人工景観が衰退していくとき、自然景観は回復してくるのであろうか?いや、自然景観が回復してきたことも気づくことができないのではないだろうか?
 地方に住んでいるからといって自然景観の人工化から逃れることはできない。