場所と場面の構造 住生活基本計画

 住生活基本計画は平成20年から30年の今後10年間の計画である。10年後の住生活のヴィジョンはいかなるものであろうか?少子化、超高齢化社会の進行が課題となる中で、住生活の量から質への転換が方向として考えられているが、質への転換は10年後には実現しそうにもないということである。量として人口減少が空家の増加となる一方で、新築も進み、老朽住宅は更新されずに残り、空家を一層拡大し、衰退した地域を拡大することが想像される。元来、都市の拡大は外側に向かって拡大し、中心部は次第に老朽化し、更新されなければ、都市は拡大とともに衰退していくといえる。中心部は再開発によって更新しえても、その周辺の住宅地の更新は難しいであろう。そこで、老朽化した住宅地が、郊外の住宅地開発に追随して広がっていくことが、考えられるであろう。住民が高齢化し、住居も同時に老朽化する。