場所と場面の構造 市民の意見

 自治体において住民の意見は、間接民主主義といわれ、選挙を通じて首長や議員を選ぶことで反映する。しかし、地域、地区の利害に関係して住民運動が生じる。あるいは、地域住民の利益代表として地区から議員候補が推される。こうした点から間接民主主義は、市民の意見を代表し得ない面が多々あるともいえる。こうした点で首長の人格が重要であり、自治体としての適切な選択を行うとともに、地域住民の意向への配慮によって、対立や混乱が起きないような公平さが求められている。
 適切な選択のために英知を集め、公平な意向のために地域と市民各層を代表する立場の相互理解を行う必要がある。実際、各自治体でそうした委員会が次々構成され、課題への選択が作られている。そこで、委員会のメンバーの選択と委員になった責任は重要である。なお、こうした委員会の議論を市民に公開し、また、パブリックコメントの募集によって、市民全体に広げることが、考えられている。
 以上の手続きはインターネットによって可能となり、汎用されはじめたといえる。現在、意見の集約された結果をまとめ、解析することは、大変な労力を伴っているが、近い将来、統計処理と解析が組み込まれた意見募集によって、瞬時に情報処理がなされるであろう。