風致と風景 風景知覚の成立

 視覚から風景はどのように意識されてくるのであろうか。仮説であるが、まず、視野における全体視がある。次に、視野の中で注意する事物へと注視がなされる。注視したした事物の認識から周辺の事物の関係を意識し、構図としての知覚が成立する。これを「眺め」と定義すると、視野の中に様々な事物が含まれ、注視の対象を次々、移動させていくと、いくつもの眺めが視野の中に含まれてくる。それらの眺めが視野全体の中で、構図的に構成されると、それが「風景」の知覚といえるのではないかと考える。