場所と場面の構造 郊外住宅地

 地方都市においても郊外住宅地は各所に見出される。東京、大阪などの大都市では、郊外住宅地開発は戦前より行なわれ、あるいは、都市発展自体が都市拡大が郊外化と市街化が連続して進行する状態といえたかもしれない。これらは電車路線の建設と平行し、電鉄会社を主にした宅地開発によるものが多かったのであろう。しかし、小規模な開発、個人の住宅建設なども混在していたのであろう。戦後、高度経済成長期の頃より、自動車が普及し、道路整備も進行した。郊外は鉄道の制約もなく、面的に拡散するようになった。大規模店の進出は郊外に展開し、旧市街地を衰退させてしまった。
 地方都市の郊外住宅地は、戦後の自動車交通の進展によっていると考えられる。都市的な生活条件が周辺に整備されていなくても、自動車によって、生活機能を確保できるようになったからであろう。こうした住宅地の空間はどのように構成されているのかを、学生に観察してもらった。周辺は開発以前の状態である農村環境が残っており、対比的な新興住宅地として区画であった。