戸外生活環境の考察

 生活と環境の関係は、建築分野から住居の生活空間として取り上げられており、建築内部の戸内環境を除いて、戸外環境を考察の対象として取り上げる。生活の場の中心が住居であり、生活の主体が環境の中心にある点では、戸内から戸外の広がりは生活の連続した広がりとして区切ることは出来ないので、比重を戸外に置くということである。
 戸内と戸外を分けるものは何だろうか。戸内は閉鎖した空間であり、外部の環境を遮断し、内部環境を人工的に創造した場所である。これに対して戸外は外部の環境であり、完全に閉鎖された空間ではなく、自然環境の要因によって支配されている。戸外が生活空間として計画、デザインされて創造される時、人と自然の関係が戸外空間として調節される。また、戸外空間は生活の広がりに応じて拡大し、その限界はないといえる。生活の広がりが、空間スケールとして階層的にとらえられることによって主体を中心として生活空間構造が見出される。都市住民を主体とする生活空間構造には、居住空間から行動空間は近隣、都市、地域への広がりを見出す。
 戸外空間の特性は、自然環境の要因に支配されるが、人為による改造の加わり方によって相違する。戸内の閉鎖した空間は、光、風雨などの自然要因を遮断しているが、空気や重力を消し去っているわけではない。自然環境の要因の支配は、人工化と逆の関係にあり、人工化は人間活動が増大するにつれて必要性が増すとすれば、人間活動が希薄なるほど自然環境の要因の要因が支配的となる。自然環境要因の支配から戸外空間を区分することができる。