1-2 景観と場所の関係

景観の概念
景観の概念は、地表面の状態として定義され、地理学の用語とされている。地表面の広がり(空間)は地図として示され、地図には自然の要素として水面、地形と植生が分布として示され、人工要素として道路、集落、様々な建造物などが示されている。何故、そのような自然要素や人工要素の分布が生じたのかを解明しようとするところに、地理学が成立したのであるが、自然要素の分布を成立させる要因に気候的要因が上げられ、また、地表面の骨格は地殻であり、そこに気候的要因(水分)が作用して地形が形成されている。

場所の概念
 場所の概念は、人間の活動範囲における土地の広がりをさすとともに、それをイメージとして意識するものということができる。活動範囲とそのイメージは、個々人によって相違しており、個別な行動の場所を統合して生活の営みとする、場所の広がりが生活空間として成立している。生活空間は個々人を主体とする居住の場を中心とした環境であるということができる。生活と環境との関係は、環境に適応して生活し、生活が環境を形成するという交流関係のもとにある。

風土における場所と景観の結合
 環境の条件の一つに自然的要因があるが、生活する土地とそこに作用する気候要因がある。生活に作用する自然要因として、「風土」が問題とされる。土地に生活する人々全体に作用し、生活の共通性格を生み出していることが、問題となる。生活空間の個別性は「風土」の客観性に包含されるといえる。景観もまた気候的要因の影響下にあり、自然的要因が「風土」と景観を結合し、「風土」を通じて「場所」生活空間が「景観」に結びついている。