森林保護

はじめに
 自然保護運動に関わってきたが、開発の進展に対する反対であった。開発は資本主義社会では、多くが経済的目的で行われる。開発によって環境が改変され、これまであった自然環境が失われ、自然環境に結びついた地域環境を変化させる。開発が資本の投資として行われる点で、投資効果、利益が求められるが、経済が停滞して投資の余力が無くなると、開発への投資が減少していく。
 自然環境であった地域が、開発の集積によって人工的な土地利用を拡大していくが、開発の停滞、あるいは地域的な経済停滞によって生じる生産活動の衰退は土地利用を衰微させ、土地の放置をもたらす。自然保護が開発への反対であり、開発の減少が喜ばれる一方で、経済の衰退による土地の放置は、地域の衰退と自然回帰が困難な点で喜ばれることではない。
 保護と開発の両立は以前から言われており、過度の自然破壊を防止しながら、適正な開発によって自然と開発を調和させる調整が行われることも見られた。しかし、急速な経済成長と同時に激しい経済変動が生じてきた日本のような社会では、調和による持続的発展は非常に困難であったといえる。