単木と木立の樹冠

はじめに
 冬の木立のシルエットは、枝が重なって網の目となって空に浮かび上がる。単木の樹冠は円形に広がっているが、木立も群の樹冠は単木の樹冠と同じように円形に広がっている。自由な空間に精一杯枝を広げているようである。幹について一つ一つの枝はその先端まで次第に分岐してその広がりを作り出している。樹冠は光に満ちた空間へと広がり、それを収斂させるように太い幹が地面に立ち上がっている。幹は地面に根を下ろして、地下の土壌を求めて根を張り、幹をしっかりと支えるとともに、根を張り巡らして、土壌から水分と栄養を吸収する。吸収した水分は幹を通して、枝の先々に送られる。枝の広がりは水を集めて、幹を伝い。根元の土壌に水分を送り届けるという。