森林と風

はじめに
 昨日は風が強く、木々は激しく揺れ動いていた。今日もまた風が強く、おまけに、雨までが、風の勢いを強めているようだ。これは、逆で、雨の勢いを風が強めているのだろう。この風雨で、木々は生き生きと活気を帯びているようである。
 林学者の嫌う表現、広葉樹の手を差し伸べるよう様な枝が上下にゆれ、隣り合った枝とダンスをしているような動き、高く伸びた木は、幹と樹冠の全体を前後に身体をそらせている。風に逆らうのではなく、風を受け入れて楽しんでいるようである。今日はそんな樹木の昨日の写真である。
葉の翻り
林内の低木
林冠の動き


林学者の考えること
 木々の姿にどんな意味があるのか、林学者は何か考えるのであろうか?確かに木々の強度、根によって支えられている強度は災害の問題である。風倒被害がどのように生じるかは林業にとって大きな問題である。水分の供給は樹木の成長の要因であるが、風にはいかなる意味があるのか。風倒を肯定的に考えれば、ある程度倒れれば、閉鎖した森林の更新に役立つということであろうか。

林内風致への示唆
 清水のブログにおける森林風致の構造に照らすなら、風は外部環境の要因である。風は森林構造のフィルターを通して、林内環境を作る。これが、木々の動きである。風致の知覚は、木々の活気、木々の動きの調和であり、これを楽しむ意識であるということになるだろう。
 レオナルド・ダ・ヴィンチの手記には、風による葉の動きが細かく観察されている。その観察は絵画には生かされたのであろうが、科学としてはどうであったのだろうか。