人工緑化(建設)と自然回復(廃墟)

はじめに
 人工の緑化とは廃墟の自然回復似ているところがある。人工と自然の拮抗関係によって 開発と自然破壊は逆の側面である。廃墟への愛好は西洋の庭園趣味の中に見られるが、日本でも芭蕉の俳句に「夏草やつわものどもの夢の跡」にもある。廃墟は人工もいずれ自然に還ることの現れとして、自然には効し難い力があり、自然を破壊した人間が、自然によって破壊されるのだという示唆と受け取られる。自然においても生は死に帰り、有機的生命は無機的な物質に還元する。しかし、絶えざる生命の連鎖がこれを繰り返す。