自己投影としての環境

はじめに
 外界を知覚し、行動するのの、頭脳(高次神経系)が受容し、判断をし、行動する上で、神経の活動野は目と手が大きく、足の小さなを作り出しているとのことである。すなわち、行動と知覚の反映として、頭脳の中にある活動野があり、あたかも、人間の反映が頭脳の中に出現しているようである。行動においては、あたかも、その反映像が肉体を支配し動かしているようである。そのような知覚の反映像が自己であるのだろうか。あるいは、その反映像を統括し、指令する潜在的な自己が存在するのだろうか。自己は、行動し、環境を改変することによって自己を外化するという言い方ができる。知覚は環境の投影であり、知覚の反映が脳の活動野であるということはなにを意味するのだろうか。環境における自己実現は自己の投影そのものではなく、環境自体の受容との関係によって成立する。投影と反映とは交互作用の正負の関係であり、一方的なものとは言えない。