山村の未来に残す環境

はじめに
 世界遺産登録に指定されるために運動を起こしている地域はいくつもあるであろうが、すでに指定された地域は妥当な感じがする。これに対して、未だ指定されていない地域には何か難点があるのだろうか。また、世界遺産に指定される意味とはなんだろうか。国立公園は国民のためのものであるが、永久に自然環境を残し、子々孫々に至って自然に触れることができることを目的としている。ここでも国立公園に指定された地域とそうではない地域の差がつけられ、国定公園や県立公園の段階が設けられている。また、公園区域と区域外の差をつける境界にどのような価値の差が考えられているかも、問題である。残す価値は国連や国の上位の立場が審査して候補地と候補区域を比較して決めるのであろうから、何か、重要な根拠があるのであろう。
 未来に残す環境は、住民の生活環境であり、未来はその子供や孫であることは、どのような地域にも存在しているだろう。また、先祖からの伝来の地域に住んでいることは、先祖の残した環境に現在、生活している。山村の歴史は謎めくように古い。大鹿村には南北朝の時代、南朝方の拠点にもなっていた。