計画者の挫折

はじめに
 現在は、計画の時代と言ってよいかもしれない。行政体において様々な委員会があり、構想計画、基本計画、事業計画が検討されている。委員会は行政体の作った計画を検討し、科学的、民主的決定のお墨付きを与えるものである。しかし、それらの計画は法律のような強制力もない。中央集権的な補助金行政による予算獲得の条件である場合も多くあり、作られた計画は担当者の裁量に委ねられ、やがて担当者が替わって忘れられていく。後で利用するには、計画のために使われた資料だけに過ぎなくなることもあった。
 目的を設定し、それを実現するために計画が必要であり、承認の手続きによって進めることも必要である。しかし、目的があいまいで、目的達成の根拠が希薄で、また、関連事業との調整が不十分で、上位と下位の計画対象範囲の関係があいまいな計画が、目的から外れ、また、忘れられることになるのは当然の成り行きである。いくつかの計画のための委員会に出ていたことがあるが、振り返って、多くの場合、計画の頓挫を見出している。