地域景観協議会

はじめに
 長野県内には各地域の地域景観協議会があり、それぞれの地域の景観形成に関連する団体が集まって施策を協議することになっている。私は一つの地域の協議会の学識者として1年間に一回の会議に出席させてもらっている。景観活動を行っていないで、高みの見物のような立場は申し訳ないことである。短時間の会議に助言して地域景観の向上に役立つことを期待して、他の人の邪魔にならない程度であるが、出来るだけ、発言しようとする。ほとんど、発言が出ないで会議が終了しようとするので、私の発言も効果があるだろうか?地域景観協議会は平成17年度の景観法の施行に基づいた県の組織であるので、全国的にこうした景観協議会が活動することのなっているのであろう。県のカバー以外には、自治体が景観行政団体となって、景観計画を定めて施行することのなっている。しかし、私がこの景観協議会の一員でなければ、こうした景観に関する活動は分からなかったのではないだろうか。
 景観法における景観の実行主体が、景観行政団体と都道府県の行政に位置づけられ、これまでの単独の住民団体は連携が図れているのだろう。しかし、景観に関する住民団体は、一種の奉仕活動などで成立しており、住民全体からすれば、ごく一部の活動で、僅かな範囲をカバーするに過ぎなかったともいえる。これらの団体が連携を持つことは持続と向上に役立つであろうが、住民全体への景観活動の早急な広がりになりえなかったことは、これまでの協議会の実績から判断される。こうして景観活動の主体が広がりを欠く中で、景観そのものを形成している土地利用の衰退と混乱が際立ってこようとしている。開発などのへの規制が問題であった時代から、衰退による荒廃へと問題が転換していることが感じられる。発展と衰退の均衡は望みがたいのであろうか?景観協議会では、農林地の遊休地化が問題となった。