アカマツ林の保存

はじめに
 公園のアカマツ林がマツ枯れ病のために、伐採され、薬剤で燻煙処理?された材がビニールに包まれて林地の各所に置かれている。マツの葉が赤くなるとそうした伐採処理がなされるようである。よく見ると、切った跡のアカマツ林の中にも、葉が赤くなりそうな木を散見する。過密なアカマツ林となっている所がほとんであるので、枯死し、衰退する木が生じることは必然的なのだが、マツ枯れ病の蔓延を防止して、アカマツ林を保護するために葉の赤いマツの伐採がなされているようである。しかし、枯れたマツの選定と伐採と薬剤処理には、多額の金と労力もかかっているのであろう。
年輪は90年生を示している。
薬剤処理され、このまま放置される。
 古い公園の疎なアカマツ林では、枯れるマツの本数は極度に少ない様に見えるから、過密な状態に残っていることが、まず、問題であることはあきらかである。疎なアカマツ林では広葉樹が混生し、アカマツが無くなっても支障はないであろうが、公園が設置されて以来とすれば、百年を超えるマツであり、根が地面から浮き出て、その古さを示している。全くマツが無くなるのは、問題であろう。こうした所は、マツ枯れ病の対策を講じる必要があると感じる。しかし、過密なアカマツ林では、間伐が優先することは確かである。マツ枯れ病になりそうな弱ったマツも、間伐すれば、枯れた後で処理木として伐採するよりも簡単であり、相対的にだが、抜本的な対処といえるのではないだろうか。全く、常識的な判断と考えるが、行政の対処が、非常識というべきなのであろうか、一律というべきなのかである。昆虫の専門家に効いたところ、カミキリムシの侵入を防ぐ、防止帯の設定が効果がありそうだということであるが、その対処もないままに蔓延してきている。処理のビニール包みが累々と林地を覆っていく姿は、悲しい限りである。そして、こうした対処も放棄されることになることは目に見えるようである。
葉の赤いマツを除去後の森林
過密なアカマツ
アカマツ伐採のため広葉樹も伐採されている。?