都市住民の流亡

はじめに
 経済の停滞とともに、多くの企業が倒産し、人々の職場が喪失していく。都市空間を構成する商店と商店街は、消費者の消費によって成立しているが、消費の縮小、都市に出かける人の減少によって商店街の衰退が進行している。都市空間の拡散は、華やかな郊外の活性をもたらすが、中心街の活力を消失させ、全体的沈滞を促進させている。独立した商店は経営が困難となり、経営者の高齢化、資金不足によって閉鎖に追い込まれることを増大させている。
 郊外の衰退は、中心市街への人口回帰をもたらし、空洞化に歯止めをかけ、商店街の活性化をもたらすように見えるが、厳しい経営条件は改善していないようである。新たな開店とともに、より以上の閉店が進行しているように見える。