山林と地域生活

はじめに
 山林と地域の配置関係を、山林に囲まれた地域、山林に接する地域、地域の中の山林の3つの関係に区分できるが、これは農村が平坦地に開かれ、山地には森林が残されるという地形的条件によるものである。駒ヶ根市の場合、天竜川を挟んで東西に分けられるが、竜東は山林に囲まれた地域であり、竜西の山麓部は山林に接する地域となり、台地中央部は地域の中に山林が残されている。地域の規模を大きく見れば、京都盆地は山林に囲まれた地域であり、大阪平野は山林に接する地域であり、関東平野は地域の中に山林を散在させている。京都盆地大阪平野山麓から離れた中央部は関東平野と同じ地域の中に山林を散在させていることになる。
 山林を資源として評価し、地域の人口から資源利用の必要量が生じると考えると。山林に囲まれた地域は資源が豊富であり、山林に接する地域は資源に不足し、山林を散在させている地域は資源を導入しなくてはならないことになる。山林に囲まれた地域は、山林を散在させている地域に過剰となった資源を供給することができる。山林に接する地域は自助努力で資源を自給することができる。

駒ヶ根市の山林資源の利用と育成
 長野県各市町村の新聞記事を20年間ほど切り抜いてきたが、5年前の退職を期に、ほとんどを焼却処分にせざるを得なかった。切り抜きの題目は、自分の森林・景観・造園の専門から、地域の環境、住民の活動など広範な範囲に及んでいた。長谷村、駒ヶ根市南箕輪村伊那市の切り抜きはこれまで保管してきたが、5年前から断絶し、狭い家でまた、処分も必要になっている。駒ヶ根市は景観計画で現在関わっているので、記事を取捨選択して、関係ないものを処分している。
 駒ヶ根市の山林関係の記事から、山林と地域の関係を概観してみる。