森林施業の成立要因

はじめに
 放置林が増大する中で、森林施業が行われる林地が中々目につかない。施業の諸段階として、収穫すなわち皆伐の状態を見かけることがあるが、植林の山地はほとんどみかけず、幼齢林も微々たるものである。保育の段階で間伐の山地は比較的多く見出される。
 皆伐による木材収穫は林地所有者の意向によるものであると考えられる。その意志決定は森林蓄積と木材販売先の需要が作用するだろう。間伐は育林補助金が作用し、補助事業受け入れに、事業体に利益がある点で積極的となり、、所有者は受動的となることが考えられる。植林も山地の緑化事業として、公共的な効果であり、公共事業として行われた。
 私の関わった森林施業は、森林を公園的に利用する場が主であり、公共団体の事業として行われるものであった。しかし、公園的に利用されている森林で森林施業がなされていない場合も見られる。こうした場合の要因は、公有地であること、公園利用に施業が有効であるかの公園管理者の判断が作用している。森林施業の目的は林業による利益ではなく、森林環境の改善と維持にある。