森林における植物多様性

はじめに
 森林が植生遷移の過程で成立する植物集合体である点で、構成する植物の種類が多様である事はどんな意味があるのであろうか?遷移過程の中で出現する植物の種類の合計種数と各植生状態に出現する種数との関係はいかなるものであろう。森林自体が単一の植生状態なののか、(終局相のように)遷移過程のさまざまな植生状態を包含したものなのか、にもよるであろう。
 ある一定地域内の植生リストとその分布ー長野県植物誌ーあるいは、多くの植物図鑑は現存の植物の種類を示している。多様性は一定範囲で、植物の種類数を示すものであるなら、こうした地域の植物リストの種類数以内のものとなる。
 多様性の維持の必要と多様性の減少による貴重種などの指定など、多くの文献が見られる。これらを吟味して多様性の検討を進めるべきであるが、日常の周辺環境からの概観としてのメモとして記すものであるので多様性に関する多くの誤解があるだろう。
 以下にその概観の構成を示しておく。

植物の進化と分布ー植物リストの判断ー
植生遷移による多様性ー植生型とその移行ー
土地利用による植生管理ー植生型の退行ー
 農地・樹園地
 草地
 林地 森林更新による多様性 母樹とギャップ 輪伐期
 園芸、帰化植物による自然植生の撹乱
多様性の増大と減少の考察