造園学と景観計画

はじめに
 造園学とは何であろうか、昭和初期に上原敬二の努力によって、学会が設立され、田村剛によって造園概論が書かれている。多く自治体で景観計画が策定され、景観行政団体の認定がなされてきている。その景観計画策定委員会に参加を求められることが何度かあった。市民諸団体、専門業界、の代表者の中で、学識経験者としての参加であるのだが、造園学が専門だと名乗りながら、それが景観計画といかに関係しているかを説明することは苦労がいる。景観計画は都市計画の一部であり、新たな建築申請の建築基準と関係している点で、建築分野が景観計画に関する専門領域と考えられることが多い。
 造園は風景に関わり、風景の鑑賞に関わる環境デザインであると考えているのだが、それが造園学であるのかが共通認識となっているのかはわからない。現在、必要される景観計画は市民の総意によって作り出されようとしている点で、計画参加の立場を明確にする必要がある。

風景と美化
 風景は個人の問題であり、居住環境と関係している。近隣住民の活動として美化活動があり、景観計画と関連している。

施設と景観
 景観は土地利用と関係し、施設の集合状態と関係している。住宅地は住宅の集合状態であり、景観計画は住宅環境の美化と関係して、建築基準を問題している。景観と風景の接点は住宅地ー居住環境の美的向上にあるといえるのかもしれない。