森林は大気の中に生きている

はじめに
 森林は大地に根を下ろし、太陽に向かって樹木は枝を伸ばし、葉は光を受けてすべての植物を活動させる。地表を覆う大気、その大気の中で森林が地面を覆っている。地表で生きる生物は森林が大気の中に生きていることを知っている。生物自体が森林とともに生きているから、それは生きていることの必然の条件と言える。このことをともすれば忘れてしまうのは、人間だけかもしれない。

大気の作用
 大気は気温、湿度を変化させ、風や雨、雪をもたらす。森林は大気の変化する条件によって成長し、変容する。森林が高さを増すにつれて、地表から林冠まで林内の空間は、壮大なものとなる。林内の環境は林外の環境を遮断して、大気の作用を緩和させる。