自然美・森林美

 森林美はザリッシュによれば、森林技術者が森林美を体得して、芸術家の域に到達して生み出すことができるものである。森林美は自然美が元にあり、森林芸術家は自然美の高揚によって森林美(施業林の美)を作り出すことができる、自然美の高揚のために自然科学と森林経営とその技術への高い知見、さらに広い文学や絵画の芸術に関する教養とともに社会的な役割への道徳的意識も必要だと主張している。
 ヘーゲルの自然美が芸術美に劣るという言を非難するとともに、森林を自然の作品が無数に含まれた美術館であり、博物館とたとえている。
 森林技術者は各種の森林施業とそれらの施業段階に森林の自然が活かされることと、自然美が発揮されることに注意して(配慮して)技術の実行に取り組むこと、それが社会的な効果を生み出しことを考える必要を主張している。さらに、利用の楽しみを高める自然美を引き立たせ、また、美的効果を高めるように人工的な要素を付け加える。