自然美の模倣と真実

 自然美は自然の真実(法則性)に一致していることによって、人の感覚で知覚される一時の表面的な美と自然の内的な原動力とを一致させる高い知性い高められた美が認識さされる。海の波、空の雲を描くことができなかった風景画家が科学者によって法則性が明らかになり、風の強弱や風向と波の関係、様々な雲の気象要因が明らかになrって、波や雲の真実の姿を描くことができた。
 事物の観察の感覚の研ぎすまされた追求は、科学者にも共通するものであろうが、法則性に到達するまで、観察による知見からの仮説に留まり、仮説は空想となって否定され、虚偽となる結果となることも考えられる。虚偽の認識によるものでも、表面的な美には差し支えないかもしれないが、深みに欠けたものとなり、見る人を高める「芸術」とは言えなくなるのではないであろうか?