老化による感覚の衰退

 声が聞こえず、会話に支障が生じるようになったが、気づいても未だ注意すれば、何とかなると思い、数年が過ぎてしまった。しかし、もはや、限界となり、耳鼻科のお医者に見て頂いた。3年前に通常の70%の聴力と言われたものが、50%まで低下していると言われた。今は補聴器の試用中である。補聴器によって可能と成る音量は通常まで引き上げるのではなく、50%を75%に引き上げるに留まるとのことである。しかし、それでも聞こえなかった音が蘇り、豊富な音の世界に驚いている。聞こえなかったことは、認識としては存在しなかったわけである。
 眼も見えず、細かい字は読み取れずに老眼を頼りにしてきた。しかし、乱視のために月が二重に、星は一つが2つとなり、重なり合ってちらちらする。眼鏡を作ろうと眼科で診断を受けた。視力は7だという。これは、若い時から全く衰えてはいないが、老眼のせいで、近眼が緩和されたといえるのかもしれない。乱視の原因は白内障によるものだという診断であり、手術をすることにしている。
 75才となり、後期高齢者となった。確かに3四半世紀の年齢を重ね、4四半世紀で百才であるから、そこまで生きることはまれであろう。今後の十年、二十年は能力の衰退が顕著に各所の起こってくることになるだろう。総合すれば頭脳と身体能力の衰退に帰着する。