山の風景

はじめに
 都市を取り囲む山地は、都市の風景にとって背景となる。山の背景がなければ、都市はただ人工物の集積した殺風景な姿である。しかし、空に広がる風景にとって山は主役であり、都市は前景に過ぎない。山によって都市の風景は特徴付けられている。はるか離れた山は大きな山塊が小さな塊となって見えているが、その山塊自体の広大さの象徴であり、それ故に、山並みの中でも中心として視線が向かう。山塊の中で山頂はさらに山塊の象徴である。山並みに奥行きを与え、遠望の山塊を象徴する数々の峰によって山の風景は空の背景を崇高な天空へと際立たせる。
中央アルプス

南アルプスの峰

山の陰影と緑