ブドウ棚

はじめに
 ブドウ棚は和風の住宅には似合わないだろう。藤棚は洋風の住宅には似合わないだろう。藤棚には竹が使われるからであろうか。しかし、洋風住宅が増えているのに、ブドウ棚を見かけることは少ない。「一房のぶどう」という随筆?を中学生の頃、読んだことがある。しかし、ブドウ棚を見かけたことはなかった。実際、ブドウ棚の管理は難しいからなのであろうか。緑陰と高価な果樹としてとして利用でき、2,30年以上も生育するのだから、もっと広まっても良いと思うのだが、広まらない何か理由もあるのだろう。緑陰を兼ねた花、実の栽培の棚を庭に設置することも、狭い庭には困難なのだろう。


 つる植物は木本に限らず、草本まで多くの種類がるが、森林育成には、林木を枯らすものとして、ツル切りが行われる。山ブドウも同様で放置された森林にしか見られない。山ブドウは木に絡み付いて上に伸びて、樹冠まで被さった時に棚状となる。森の中にも山ブドウ棚を見つけて、実をいただくことがある。藤も木に巻きついて伸びて、木を枯らすが、藤の花で彩られると美しい。山ブドウは秋の紅葉が特に美しく、森林の中で際立っている。藤やブドウは元来、自然の中の楽しみであっただろうが、それを庭の楽しみに取り入れたのであろう。栽培されるブドウは古来、西洋のものであるので、庭の楽しみは果樹園を取り入れたものなのだろう。西洋のぶどう園は潅木づくりが多いようで、棚づくりは少ない。

緑陰効果
 森林育成には迷惑なつる植物も、壁面に広がり、天空を緑陰とする点で、居住環境の改善に役立てられている。