林道網と森林区画

はじめに
 ザーリッシュの森林美学に林道網と森林区画を論じた章がある。林業経営上、森林区画を長方形と等しい面積に区切ることのメリットを述べた上で、曲線道路に対応する改良の効果が考察されている。これは、南箕輪村大芝村有林の生活環境保全林整備事業で体験したことと共通しているように感じられた。規模もザーリッシュの事例が道路両側の200haに対して、村有林は道路片側の森林約100haとなっている。ザーリッシュの事例は200haを20等分し、1区画が10haとなるのに対して、村有林は1区画がおよそ7haである。ザーリッシュの区画がおよそ320m×640mの長方形、村有林は250m×250mの正方形であり、それぞれ、その区画に沿って格子状の道路網が設置されている。
 ザーリッシュの提案は、林地を2分割する道路の曲線を軸にして区画を設定し、また、道路網の斜めに、やや曲線の道路を設定するものであった。村有林の場合は、生活環境保全林の利用の面から、格子道路網に回遊、曲線の遊歩道を新設するものであった。斜線の通過路は走行距離を短縮するのに有用であることは確かである。