森の木の工作

はじめに
 森林の手入れのために間伐いや択伐を行なった。アカマツ林の下層にはリョウブやツツジ、ソヨゴ、ヒノキがみられるが、長年の放置で衰退し、カエデやコシアブラが増えてきている。明るくなった林床から、これらの下層植生の生育が増進させられることが期待される。アカマツからの次代の森林への更新樹としてはヒノキであろうが、コナラやカエデ、サクラ類などの広葉樹の生育も期待される。さらに、モミやカヤなどの稚樹も見られるようになれば、天然林に近づくことになる。間伐は放置に耐えて生育できる自然林への移行を期待するものでもある。
 過密な放置林では多くの林木が衰退しながら、自然の優劣が形成されている。間伐木は優勢木と競合する木あるいは、優勢木を切って更新のやめのギャップを大きく開けるなどして、木材として利用できる林木を収穫することができる。一方、劣勢木は枯損木も多く、倒木の危険があり、止む無く伐採する必要でてくる。これらはチップ材や薪にりようできそうである。立ち枯れのヒノキ、間伐によって支えを失って倒れる広葉樹も伐採しなくてはならないが、細い材ではあるが、薪にするにはもったいない。しかし、丸太のままを利用するのは限られ、工夫が必要である。

細い丸太の工作物
 やや太い丸太は柱に、細い丸太は杭にすることができる。2本の杭に板を渡してネジで留めていくと壁あるいは塀ができる。丸太の太さにネジを貫いて杭に止めることができれば、丸太の横木の塀ができる。丸太の皮はそのまま付けたまま使うと樹皮がきれいだが、皮の下に虫が入り、木部まで弱らせるので、耐久性がない。樹皮を剥いで使えば、耐久性が高まり、屋外では防腐剤を塗ると長持ちする。柱2本に板を横に取り付けて、真ん中を高くして3列に並べ、その上に板を取りつければ、屋根となり、壁の横板をはりつければ、小屋をつくることができる。
 山の整理の際に細い木をより分けておいた。ヒノキ、リョウブがほとんどで、アカマツ林の下で立ち枯れ寸前で年輪が詰まったまま細い状態となっていた。それでも、樹高は数メートルはあり、細い丸太としては最適である。